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業界動向

Epic Games、全社でAI加速へ転換:人員削減ではなく制作力強化が狙い

公開 拡散指数 54

Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは、社内の開発体制を再編してAI加速に大きく舵を切ったと明かした。狙いは人員削減ではなく、全員がより多くの優れた成果物を作れるようにし、Unreal Engineを利用するすべての制作チームにその恩恵を届けることだという。

Epic Games、全社でAI加速へ転換:人員削減ではなく制作力強化が狙い
画像:arstechnica.com

ゲーム大手による生成AI活用が、コンセプトアートの試作やスクリプトの下書きにとどまると考えていたなら、Epic Gamesの最新の動きはその認識を覆すかもしれません。

ブルームバーグの報道によると、Unreal Engineの開発元であるEpic Gamesは、ウォルト・ディズニー・カンパニーとの大型共同プロジェクトにおいて「AIファースト」の開発体制へ劇的な舵切りを行いました。社内メッセージには「手書きのコードはもう書かない」と記され、AnthropicのClaudeなどのAIモデルにコード記述とアートアセット生成の全行程を担わせ、人間の開発者はその管理や監修に回る計画が進められています。

15億ドル規模のプロジェクトに急ブレーキ

この徹底したAI化の代償として、開発スケジュールには大きな狂いが生じました。

Epicとディズニーは2024年初頭に15億ドルの提携を発表し、マーベルやスター・ウォーズの世界観を舞台にした新作シューターを2027年3月にリリースする予定でした。しかし、関係者によると、AI導入に伴う体制の刷新や人手不足、予想以上の開発遅延が重なり、プロジェクトは無期限延期になったと報じられています。

報道を受けてEpicのCEOティム・スウィーニー氏はSNSで方針転換の事実を認めました。同氏は、AIによる加速を最大化するために社内で開発者の再配置とワークフローの再構築を進めていると説明しています。

スウィーニー氏は人員削減が目的ではないと強調し、より少ない人数で同じ作業をするためではなく、チーム全員がより多くの優れた作品を作れるようにし、その恩恵をUnreal Engineを利用するすべての制作チームへ届けることが狙いだと述べています。

なぜ重要か

今回のEpicの決断は、大手ゲームスタジオが開発パイプラインの深部に生成AIを組み込もうとした、極めて野心的でリスクの高い実験だと私たちは考えています。

クリエイターや中小規模のスタジオにとっては、将来的にゲーム制作の敷居を一気に下げる可能性があります。Unreal Engine上でAIによるコードやアセットの自動生成フローが実用化されれば、巨大な開発リソースを持たないチームでも大規模な3Dゲームを形にできるようになるはずです。

一方で、ディズニーの大作が無期限延期に追い込まれた事実は、現状のLLMが抱える限界を生々しく示しています。小規模なスクリプトならAIが即座に生成できても、複雑な物理演算やマルチプレイが絡むAAAタイトルの基盤コードでは、幻覚によるバグの修正やアーキテクチャの保守が人間の手作業以上に重荷になりかねません。

業界全体にとっても、Unityなどのライバルに対する牽引役になる一方で、急進的なAIへの全面依存がプロジェクトの遅延という手痛い代償を招く好例として、多くの開発スタジオに慎重な判断を迫ることになりそうです。

情報源 (2)

  1. [1]
    @TimSweeneyEpic(新しいタブで開きます)原文x.com
  2. [2]

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