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業界動向

EpicのCEO、Steamの「AI生成」ラベル廃止を提唱 全ゲームへの普及を理由に

公開 拡散指数 38

Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOが、Steamなどのゲームストアは「AI生成」タグを廃止すべきだとXで主張した。将来ほぼすべての制作にAIが使われるようになるため表記の意味がないとし、「開発者のシャンプーの銘柄も開示すべきか」と皮肉った。

EpicのCEO、Steamの「AI生成」ラベル廃止を提唱 全ゲームへの普及を理由に
画像:theverge.com

シャンプーを買うときに、工場のラインでどんな産業用ロボットが使われたかを気にする人はいません。しかし、現在のゲーム業界では、AIが生成したコードや合成音声の1行1行に、プラットフォームもプレイヤーも神経をとがらせています。

Epic GamesのCEOであるティム・スウィーニー氏が、この現状に異を唱えました。同氏はX上で、Steamをはじめとするゲーム配信ストアは「Made with AI」のような生成AI利用の明示タグを廃止すべきだと主張しています。

開発者のシャンプーの銘柄まで開示させるのか

発端は、ストアからAIタグをなくすべきだという一般ユーザーの投稿に、スウィーニー氏が同調したことでした。

同氏によると、AIタグが意味を持つのは、作者の帰属を明らかにすべき美術展や、権利関係を把握する必要があるデジタル素材のライセンス市場くらいだといいます。今後のほぼすべてのゲーム制作にAIが関与するようになる以上、ゲームストアでそれを開示させるのは無意味だという論理です。

スウィーニー氏はさらに別の投稿で、AIだけで止める必要はあるのか、開発者が使っているシャンプーのブランドも義務開示にすればいい、ユーザーには知る権利があるのだから、と皮肉交じりに書き込みました。

Steamを運営するValveは、当初AI生成物を含むゲームに慎重な姿勢をとっていましたが、現在は利用状況を開示することを条件に、大半のタイトルの配信を認めています。Steamと競合するEpic Games Storeを率いるスウィーニー氏は、そうした開示ルールそのものがもはや不要だと考えています。

大手パブリッシャーのネクソンが配信するゲーム「Arc Raiders」でAI音声が使われ批判を浴びた際にも、同社CEOのイ・ジョンホン氏が「すべてのゲーム会社がAIを使っていると考えるのが自然だ」と述べていました。

その際もスウィーニー氏は議論に加わり、AIは一部の分野で人間の生産性を整数倍に引き上げるが、それは人員削減ではなく、より良いゲームを作るために使われるべきだと語っていました。

実際、マイクロソフトではエンジニアリングチームの91パーセントがGitHub Copilotを使用していると公表しており、制作現場へのAI浸透は急速に進んでいます。その一方で、AIタグの撤廃に誰もが賛同しているわけではなく、逆に「AI不使用」を前面に出して熱心なファンを引きつけようとするインディー開発者も増えています。

なぜ重要か

スウィーニー氏の指摘どおり、ゲームエンジンやプログラミング環境にAIが標準機能として組み込まれていく以上、どこからが「AI製」なのかを線引きすることは技術的にほぼ不可能になります。その意味で、タグが将来形骸化するという見立ては合理的です。

しかし私たちは、現時点でラベルを外してしまうのは時期尚早だと考えています。プレイヤーがAIタグを気にする背景には、手抜きの量産アセットに対する嫌悪感や、人間のイラストレーターや声優が職を追われることへの懸念があります。インディーゲーム開発者が「AI不使用」をセールスポイントに掲げる動きは、手仕事の価値を求める市場の確固たる需要を反映しています。

Steamが情報開示を義務付け続けるのは、コミュニティの反発を和らげ、購入者に選ぶ権利を残すためです。対してスウィーニー氏の発言は、AIを積極活用したい大規模スタジオにとってEpic Games Storeをより開発者寄りで寛容なプラットフォームに見せる狙いがあります。ただし、制作現場での倫理的な合意が形成されないまま透明性を放棄すれば、プレイヤー側の不信感をかえって強めるリスクをはらんでいます。

情報源 (1)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

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