OpenAIがChatGPTに共有プロジェクト追加、外部ツール連携も自動化
OpenAIはChatGPTのビジネス向けプランに「共有プロジェクト」を追加したと発表した。チームで指示文やファイルを共有し、独立したメモリで共同作業できる。GmailやTeamsなど外部ツールと連携するコネクタも一般提供され、各種ISO認証も取得した。

社内で ChatGPT を使っていても、実態は単独作業の域を出ていないケースがほとんどです。自分で工夫してプロンプトを作り、出力結果をチャットツールに貼り付け、同僚が手直しするときはまたゼロから前提知識を AI に入力し直す、という無駄が続いていました。
OpenAI はチームおよび法人向けに共有プロジェクト機能や外部ツール連携の強化を発表しました。あわせて、ChatGPT のビジネスユーザー数が 500 万人を突破したことも公表されています。
チャット画面をチームの共有ワークスペースへ
今回の目玉は共有プロジェクト機能です。すでに Business、Enterprise、Edu プラン向けに提供が始まっており、今後は Free、Go、Plus、Pro にも順次展開される予定です。企業や教育機関向けプランでは、管理者の意向を考慮して初期設定でオフになっています。
これまで個人内に閉じていた指示文や参照ファイルを、チームメンバーと一緒に一つのプロジェクトへ集約できるようになりました。たとえば広報チームがブランドガイドラインを共有設定しておけば、誰がプロンプトを打っても統一されたトーンの原稿が生成されます。
また、プロジェクト専用のメモリ機能も備わっています。メンバーが追加した最新情報を ChatGPT が文脈として記憶するため、過去の経緯を説明し直す必要がありません。同僚のチャット履歴から分岐して別のアイデアを深掘りすることも可能です。
メールの自動参照とセキュリティの強化
外部ツールとのコネクターも大幅に進化しました。従来の GitHub や SharePoint に加え、Gmail、Google カレンダー、Google 連絡先、Microsoft Outlook、Teams との連携に対応しています。
特に便利なのは、質問内容に応じて ChatGPT が自動でコネクターを使うかどうかを判断するようになった点です。手動で切り替える手間なく、直近のメールや予定表を読み取って会議のアジェンダやタスクをまとめてくれます。
企業導入のハードルを下げる施策も揃えられました。ISO 27001、27017、27018、27701 の認証を取得したほか、SOC 2 報告書の範囲を拡大し、ロールベースのアクセス制御(RBAC)や OIDC 認証、IP アドレス制限機能も追加されています。
なぜ重要か
OpenAI は単なる対話型 AI から、企業の日常業務を集約するプラットフォームへと舵を切っており、Microsoft Copilot などの競合と真正面からぶつかり合っています。
一般ユーザーや中小チームにとっての価値は明快です。外部の自動化ツールや複雑なナレッジベースを自前で組まなくても、ChatGPT 内だけで複数人のコンテキスト共有が完結します。日常的に資料作成やクライアント対応を行うチームなら、今すぐ試す価値があります。
コネクターの自動判定を導入した点も、実務での使い勝手を大きく引き上げる賢い改善といえます。
一方で、メールやスケジュール、ソースコードに AI が直接アクセスできる範囲が広がるほど、情報漏洩やアクセス権の管理ミスに対する懸念は拭えません。法人向けプランでこれらの機能がデフォルト無効化されていることからも、現場の利便性とセキュリティ部門の警戒感とのバランスをどう取るかが、今後の定着における最大の課題になりそうです。
情報源 (1)
- openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com