本文へスキップ
IFAI

業界動向

英通信大手BTが最大5.5万人削減へ、最大5分の1をAIなどで代替

公開 拡散指数 56

英通信大手BTは2030年までに最大5万5000人の人員を削減する方針を発表した。現在の従業員13万人の4割超に相当し、主にカスタマーサービス部門で最大5分の1がAIなどの新技術に置き換わる。光ファイバー網整備の一巡に加え、生成AIの活用で業務効率化を進める。

英通信大手BTが最大5.5万人削減へ、最大5分の1をAIなどで代替
画像:bbc.com

英通信最大手のBTグループが、AIによる人員削減の具体的なロードマップを公表しました。

同社は2030年末までに最大55000人の人員を削減する方針を明らかにしました。現在の国内外を合わせた総労働力13万人から、最大で4割強を減らす大規模なリストラです。このうち最大5分の1にあたる1万人以上が、生成AIをはじめとする新技術による代替で削減されます。

光回線工事の完了とAI導入が重なる

削減対象の内訳を見ると、従来型の通信インフラ更新と自動化の影響がはっきりと表れています。英国内で進めてきた銅線から光ファイバー網への移行工事が完了することで15000人以上、メンテナンス負担の軽減によって10000人以上が削減されます。事業再編で約5000人、そしてAIなどの新技術導入により10000人以上が対象となります。

影響を最も強く受けるのはカスタマーサービス部門です。BTのフィリップ・ジャンセンCEOは、ChatGPTのような生成AIの登場が自動化推進への確信につながったと説明しています。一方で同社は英国内に450の店舗を維持し、利用者がロボットとだけ対話しているような不満を感じさせないマルチチャネル体制を維持すると強調しました。

なお、同社の4月期決算は利益が12%減の17億ポンドに落ち込み、発表後に株価は7%以上急落しました。通信労働組合(CWU)は、新技術や光回線化に伴う人員減は予想通りとしつつも、外注契約の見直しを優先し正規雇用の維持を求めています。

なぜ重要か

大手インフラ企業が、生成AIの台頭を理由に万人規模の具体的な削減枠を対外公表した点は極めて象徴的です。これまで業務効率化の文脈で語られがちだった大規模言語モデルが、大企業のコスト構造を抜本的に変える現実的な手段として組み込まれたことを示しています。

特に定型業務やカスタマーサポートに従事する職種にとっては、AI代替のプレッシャーが現実のものとなりました。調査会社エンダーズ・アナリシスが指摘するように、競合のボーダフォンが発表した11000人の人員削減計画と同様、株主に対して確実にコスト削減を実行できると証明する狙いも透けて見えます。

しかし、この判断にはリスクも伴うと考えられます。生成AIによる顧客対応は進歩しているものの、複雑なトラブル対応や細やかな配慮において課題が残っています。人件費抑制を急ぐあまり顧客体験を損なえば、かえって解約率の上昇を招く可能性があり、他社がどこまで追随するかを含めて運用の実効性が問われます。

情報源 (2)

  1. [1]
    bbc.com(新しいタブで開きます)原文bbc.com
  2. [2]

毎日のAIピックアップ