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Anthropic、著作権侵害訴訟で約15億ドルの和解案に合意

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Anthropicは海賊版書籍をAI学習に利用したとされる集団訴訟で、少なくとも15億ドルを支払う和解案に合意した。1作品あたり約3000ドルが支払われ、ダウンロード済みデータの破棄も義務付けられる。米国の著作権訴訟として過去最大規模だが、将来の学習許諾は含まれていない。

Anthropic、著作権侵害訴訟で約15億ドルの和解案に合意
画像:theverge.com

1冊の本を書き上げるには何年もかかりますが、印税だけで暮らせる作家はほんのわずかです。しかし、もしその作品が無断でAIの学習データに使われていたなら、今なら約3,000ドルが手に入るかもしれません。

Anthropicは9月5日、作家らが起こした集団訴訟を終結させるため、少なくとも15億ドルに利息を加えた和解金を支払うことで合意しました。原告側弁護士によると、米国の著作権侵害訴訟における公表された和解額としては史上最高額になる見込みです。

和解金は1作品あたり約3,000ドルが割り当てられ、対象は約50万作に達するとみられています。申請数がこれを上回った場合、Anthropicは1作品ごとにさらに3,000ドルを追加で支払う取り決めです。和解の承認を巡る審理は9月8日に予定されています。

海賊版のダウンロードが引き金に

この訴訟は昨年8月、Andrea Bartz氏ら3人の作家が、Anthropicは何十万冊もの著作権で保護された書籍を盗んで数十億ドルの事業を築き上げたと訴えたことから始まりました。

今年6月、連邦裁判所のWilliam Alsup判事は、適法に購入された書籍を用いてAIモデルを学習させる行為はフェアユース(公正利用)に該当するとの判断を下しました。人間が読書を通じて執筆を学ぶのと同じように、既存の表現を複製するのではなく新しいものを創出するための学習であると認めた形です。

しかし同判事は、いわゆる海賊版サイトである「シャドウライブラリ」から書籍を不正に入手した行為についてはフェアユースを認めず、公判で争うべきだと命じました。7月には全米の被害作家を代表する集団訴訟への格上げが認められ、Anthropicは窮地に立たされていました。

巨額の和解金により、Anthropicは盗難疑惑をめぐる正式裁判を回避しました。合意に基づき、同社はダウンロードした海賊版ファイルとその複製をすべて破棄する必要があります。

ただし、この和解は2025年8月25日以前の過去の行為に対する請求のみを免責するものです。将来のAI学習に関する許諾を与えるものではなく、それ以降に発生した請求は保護されません。

Anthropicの法的リスクはこれだけではありません。今夏にはRedditからアクセス遮断の約束を破り10万回以上スクレイピングしたとして訴えられており、2023年にはUniversal Musicからも歌詞の著作権侵害で提訴されています。

なぜ重要か

作家個人にとって3,000ドルの臨時収入は小さくありません。しかし、これがクリエイター全体の勝利かといえば、実態は大きく異なります。

今回の和解金は、AIが本を学習したことへの対価ではなく、Anthropicが本を正規に購入せず海賊版サイトから落としてきたことに対する罰金に過ぎません。適法に取得したデータでのAI学習はフェアユースであるという司法判断が覆っていない以上、作家が今後の無断学習を差し止める権利を勝ち取ったわけではないからです。

Anthropic側の視点に立てば、極めて合理的かつ抜け目ない決着といえます。同社は直近で新たに130億ドルの資金調達に成功しており、15億ドルは決して払えない額ではありません。海賊版という致命的な不法行為の裁判を回避しつつ、AI学習の合法性という最大の論点を維持することに成功しました。

私たちは、この和解が今後のAI業界におけるデータ調達の潮目を象徴していると考えます。著作権者との争いはモデル開発を止める壁ではなくなり、後から巨額の和解金を払ってでも解決できる事業コストの一つへと変質しつつあります。

情報源 (2)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

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