本文へスキップ
IFAI

業界動向

Anthropic、OpenAI共同創業者ダアク・キングマ氏を採用

公開 拡散指数 42

OpenAI 共同創業者であるダアク・キングマ氏が Anthropic への移籍を発表した。オランダからリモート勤務する予定。同氏は OpenAI や Google Brain で生成 AI 基礎研究を率いてきた人物で、Anthropic は 5 月のヤン・ライケ氏、8 月のジョン・シュルマン氏に続く重要幹部の獲得となる。

Anthropic、OpenAI共同創業者ダアク・キングマ氏を採用
画像:techcrunch.com

OpenAI の初期メンバーがまた一人、最大のライバルへと拠点を移しました。

OpenAI の共同創業者の一人である Durk Kingma 氏が、Anthropic に移籍することを X 上で発表しました。オランダを拠点に大半をリモートで勤務する予定ですが、どの組織に所属するかや役職の詳細は明かしていません。

Kingma 氏は投稿の中で、Anthropic の AI 開発方針が自身の信念と深く合致していると述べ、責任ある強力な AI システムの開発に向けて、OpenAI や Google 時代の元同僚たちと再び挑戦できることを楽しみにしていると語っています。

生成 AI の基礎を築いた研究者の軌跡

Kingma 氏は一般向けの知名度こそ高くないものの、機械学習の学術界やアルゴリズム開発の現場では極めて重要な存在です。

アムステルダム大学で博士号を取得後、Google のフェローを経て OpenAI の創業チームにリサーチサイエンティストとして参画しました。OpenAI ではアルゴリズムチームを率い、DALL-E 3 や ChatGPT の根幹を支える生成モデルの手法や技術の開発を主導しました。

2018 年に OpenAI を離れてエンジェル投資家や顧問を務めた後、同年 7 月に Google Brain へ復帰。2023 年に Google Brain と DeepMind が統合された後も研究を続けていました。

OpenAI の初期DNAを吸収し続ける Anthropic

今回の移籍は、ここ数か月続く Anthropic による大規模な人材獲得の流れに連なるものです。

今年 5 月には元 OpenAI 安全部門責任者の Jan Leike 氏が Anthropic に合流し、同じく 5 月には Instagram の共同創業者である Mike Krieger 氏が最高製品責任者に就任しました。さらに 8 月には、もう一人の OpenAI 共同創業者である John Schulman 氏も移籍しています。

そもそも Anthropic の CEO である Dario Amodei 氏自身、OpenAI の研究担当副社長を務めた人物です。商業化を急ぐ方針への懸念から古巣を去り、元ポリシー責任者の Jack Clark 氏らとともに設立した経緯があります。

なぜ重要か

トップクラスの AI 研究者を引きつける要因が、単なる報酬や計算資源の多さから、企業としての理念や開発姿勢へとシフトしていることを浮き彫りにしています。

Claude などを利用するユーザーや開発者にとって、基礎アルゴリズムの大家である Kingma 氏の加入は、長期的なモデル性能の向上や推論アーキテクチャの進化に対する大きな信頼材料になります。直ちに新機能が出るわけではありませんが、基盤モデルの基礎体力という点では極めて心強い材料です。

業界全体として見れば、営利企業としての性格を強める OpenAI に対し、Anthropic は「安全性を重んじる研究者の受け皿」というポジションを完全に確立しつつあります。OpenAI が初期の学術的な推進力を生み出した頭脳たちを流出させ続ける一方で、Anthropic がその遺伝子を着実に継承している構図は、今後のフロンティアモデル競争に静かですが決定的な影響を与えそうです。

情報源 (1)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com

トピックを追うOpenAIのリーダーシップ危機

このトピックのニュース。新しい順です。

  1. OpenAIの安全研究者Rosie氏が退社、AGI準備チーム解散受け
  2. OpenAIの共同創業者ブロックマン氏が復帰、技術的課題に注力へ
  3. OpenAI の研究・安全性担当副社長リリアン・ウォン氏が退社へ
  4. OpenAI、営利企業への転換に向け米当局と初期協議を開始
  5. OpenAI、66億ドルの資金調達を完了:評価額は1570億ドルに

毎日のAIピックアップ