Airbnb、生成AIを全面導入へ:自然言語検索をテスト、サポートの3割をAIが解決
米Airbnbは金曜日、検索や旅行計画、ホスト管理向けに大規模言語モデルを全面導入する計画を明らかにした。現在、ごく一部のユーザー向けに自然言語検索をテスト中。すでに稼働中のAIサポートボットは問い合わせの3分の1を自動解決しており、今後は音声対応も予定する。

過去2年、多くのテック企業が検索窓へのAIチャット導入を急ぐ中、Airbnbは慎重にタイミングをうかがっていました。
同社のブライアン・チェスキーCEOは第4四半期の決算説明会で、Airbnbを本格的な「AIネイティブ」な体験へと進化させる計画を明かしました。単に宿泊先を検索するだけでなく、ユーザーの好みを深く理解し、旅行の計画からホストの業務管理までを支援する体制を目指します。
自然言語検索のテストとMeta人材の登用
現在、ごく一部のユーザーを対象に、自然言語を使った新しい検索機能のテストが始まっています。チェックボックスを細かく指定する代わりに、日常会話のような自然な文で物件や周辺地域について質問できるようになります。
チェスキー氏によると、この検索体験は今後さらに会話型へと進化し、旅行の行程全体をカバーするものになる予定です。AI検索内でのスポンサー枠導入について問われた同氏は、まずは体験のデザインを完成させることが最優先だと説明し、将来的に会話の流れに沿った広告枠を検討する方針を示しました。
この戦略の舵を取るのが、新CTOに就任したアフマド・アルダーレ氏です。同氏は直近までMetaで大規模言語モデル「Llama」の開発を率いており、Airbnbが蓄積してきた身元情報やレビューデータを活用したモデル開発を推進します。
問い合わせの3分の1をAIが自動完結
表側の検索機能だけでなく、サポート業務でもAIの存在感は急速に高まっています。
昨年北米で導入されたLLM採用のカスタマーサポートボットは、現在すでに全問い合わせの3分の1を人間のスタッフを介さずに自己完結させています。チェスキー氏は1年後をめどに、対応言語を人間のオペレーターが存在する全言語へ広げ、自動解決率を30%より大幅に引き上げたいと述べました。
さらに、テキストチャットにとどまらず音声通話によるAIサポートも計画されています。社内でもエンジニアの80%がすでにAIツールを活用しており、今後は100%を目指すとのことです。なお、第4四半期の売上高は前年同期比12%増の27.8億ドルと好調を維持しています。
なぜ重要か
Airbnbが一般的な旅行チャットbotブームに乗らず、独自のデータ活用にフォーカスした判断は極めて合理的だと考えます。
一般的なAIに旅行計画を聞いても薄いWeb情報を返すだけですが、Airbnbには他社が持たない膨大な民泊のレビューやハウスルール、ホストとのやり取りのデータがあります。MetaのLlamaを率いたトップをCTOに据えたのは、自前の強固なデータ資産を直接LLMに食わせる覚悟の表れと言えます。
旅行者にとって、数千件のレビューから「夜間の騒音」や「急な坂道の有無」を探す手間が会話ひとつで解消されるなら、利便性は大きく向上します。深夜の鍵のトラブルに音声AIが即座に対応できるようになれば、実用的な恩恵も大きいでしょう。
一方で、宿泊予約というトラブルが金銭や安全に直結する領域において、AIのハルシネーション(もっともらしい嘘)は致命傷になり得ます。また、将来的にお勧め物件のなかに広告が混ざるようになった際、AIの推薦がどこまで客観的であり続けられるかは、ユーザーの信頼を左右する課題になります。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com