Airbnbがアプリ大幅刷新、体験・出張サービス予約解禁とAIコンシェルジュ構想
Airbnbはアプリを大幅刷新し、宿泊予約なしでも出張シェフやマッサージなどの現地サービス・体験を予約可能にした。さらにチャット内で回答やキャンセル手続きをこなすAIサポートも導入。単なる民泊仲介から旅行全般を支援するプラットフォームへの脱皮を狙う。

旅先で宿を確保した後の過ごし方に悩む人は少なくありません。現地で腕利きのシェフを呼んだり、マッサージを受けたり、ツアーを探したりする手間は意外と大きいものです。
Airbnb は 5 月 13 日、アプリの大型アップデートを実施し、「サービス」と「体験」を予約できる新機能を世界中で順次公開しました。これらの機能は宿泊予約と一緒に追加することも、宿泊を伴わずに単体で予約することも可能です。同社は 2023 年に体験サービスを一時停止して本業の宿泊機能の改善に注力していましたが、今回改めてこの領域に攻め込みました。
シェフの出張から五輪選手のレッスンまで
今回の展開の狙いは、すでに集まっている膨大なトラフィックの収益化です。ブライアン・チェスキー CEO は 2025 年第 1 四半期の決算説明会で、過去 1 年間に 15 億台以上のデバイスが Airbnb にアクセスしたものの、その多くが宿泊予約に至っていないと明かしていました。
まず「サービス」は出張シェフ、ケータリング、配食、写真撮影、マッサージ、スパ、パーソナルトレーニング、ヘアメイクなど 10 カテゴリでスタートし、世界 8 カ国の 260 都市で提供されます。Airbnb の手数料は 15% です。
「体験」は文化ツアー、アウトドア、料理教室、アート工房など 19 カテゴリに及び、世界 650 都市で展開されます。こちらの同社取り分は 20% です。さらに著名人とコラボした独自企画「Airbnb Originals」も用意され、リオデジャネイロで五輪ビーチバレー選手とプレイするような特別な体験も並びます。ホストには資格や経験、身元などの確認審査が行われます。
参加者同士のグループチャットと AI コンシェルジュ
Airbnb はソーシャル機能の強化も進めています。昨年プロフィールページを改修したところ、プロフィールの入力完了数が 15 倍に跳ね上がったといいます。年内には同じ体験に参加した人同士で写真やおすすめスポットを共有できるグループチャット機能を追加する予定です。
さらに顧客対応の現場には AI を本格導入します。今月上旬に発表された AI サポートエージェントは、従来の FAQ リンクを返すだけのアシスタントと異なり、チャット内で直接質問に回答します。まずは米国の英語ユーザー向けに月内展開を完了し、年内に他言語へ広げる計画です。将来的には予約変更やキャンセルをチャット内で完結させ、旅程全体を提案するコンシェルジュを目指しています。
なぜ重要か
ユーザーにとって、土地勘のない場所で信頼できる出張サービスやアクティビティを一つのアプリで手配できる利便性は魅力です。ただし体験で 20%、サービスで 15% という手数料は安くなく、最終的な料金に反映される可能性が高いため、価格に見合う価値があるかは見極めが必要です。
業界の視点では、Viator や GetYourGuide、Tripadvisor、さらには Yelp のような地域サービス企業と真っ向から衝突することになります。宿泊市場の伸びが落ち着くなか、旅行中のアクティビティ消費を取り込む争いは一段と激しくなります。
宿泊なしでも予約可能にした点は、単なる民泊仲介から総合的な地域体験プラットフォームへと脱皮する上で極めて現実的な判断といえます。一方で、施術や対面サービスは宿泊以上にクレームや品質のばらつきが起きやすい領域です。審査の厳格化をうたってはいるものの、現場のトラブルを AI アシスタントだけでどこまでカバーできるかは疑問が残ります。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com