AdobeがFirefly Image 2発表:Illustrator向けベクター生成も登場
AdobeはAdobe MAXで新世代の「Firefly Image 2」を発表した。画質向上に加え、指定画像の画風を反映する機能を追加。さらにIllustrator向けにベクター画像を生成する専用モデルのベータ提供も開始した。

生成AIで作成した画像は一見美しくても、実務では使いにくい場面が多々ありました。プロンプトごとに画風がぶれるうえ、ラスター画像では拡大印刷やアンカーポイントの微調整に対応できないためです。
Adobeは年次カンファレンス「Adobe MAX」にて、3つの新しい基盤モデルを発表しました。第2世代となる「Firefly Image 2」、ベクター画像に特化した「Firefly Vector Model」、そしてテンプレート生成を担う「Firefly Design Model」です。3月のベータ公開以来、Fireflyによる画像生成数はすでに30億枚を突破しています。
レイヤー構造を保ったままベクターを自動生成
最大のトピックは、Illustratorデスクトップ版のベータ機能として提供される「テキストからベクター生成」です。Adobe Stockが保有する数千万点ものベクターデータを学習させた、世界初のベクター専用生成モデルとなります。
従来の画像トレース機能とは異なり、このモデルはデザイナーが編集しやすいようパスのアンカーポイント数を極力少なく抑える設計になっています。生成されたグラフィックは単なる図形の集まりではなく、オブジェクトごとにグループ分けされ、レイヤーやグラデーションも独立して編集可能です。あわせてベクターアートを立体製品にマッピングできるMockup機能なども発表されました。
カメラ設定の再現と画風の統一
Web版のFireflyには「Image 2」が投入され、肌の毛穴や植物の葉といった微細な質感表現が向上しました。被写界深度やモーションブラーなど、一眼カメラの手動設定に近い感覚でパラメータを調整できます。
実務上の大きな武器となるのが「構成一致(Generative Match)」機能です。手持ちの参考画像を読み込ませることで、プロンプトの言葉遣いに頼らずブランド独自の画風を維持したまま連続して画像を生成できます。さらにAdobe Express向けには、文字配置や配色まで考慮したレイアウトを一括生成するDesign Modelが追加されました。
なぜ重要か
今回のアップデートで最も評価できるのは、AIを単体の「お絵描きツール」にとどめず、既存の制作ワークフローのパーツとして完全に組み込んだ点にあると私たちは考えます。
他社製ツールでいくら精細な絵を出力できても、ベクター化や分解作業に時間を取られては本末転倒でした。レイヤー構造を保ったパスデータとしてIllustrator上で直接出力できる仕組みは、現場の制作時間を劇的に圧縮します。
画風を固定できるスタイルマッチ機能や、商用利用時の著作権補償、改ざん防止のメタデータを付与するContent Credentialsの標準搭載は、大企業の法務リスクをクリアする上で極めて現実的なアプローチに見えます。極めて複雑な図面などではまだ調整が必要な場面もあると予想されますが、商用デザインの生産性向上という観点では他社を一歩リードしたと言えます。
情報源 (3)
- blog.adobe.com(新しいタブで開きます)原文blog.adobe.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com
- blog.adobe.com(新しいタブで開きます)報道blog.adobe.com