Adobe、CCの「コンテンツ分析」初期有効化で物議:生成AI学習は否定
Adobe Creative Cloudで「コンテンツ分析」がデフォルトでオンになっていることが判明し、写真がAI学習に使われているのではと物議を醸している。Adobeは実験的な生成AIの学習には使っていないと説明したが、通常のアルゴリズム改善には利用されるため、気になる場合は設定から無効化できる。
オープンソースのペイントソフト Krita の開発者が、Adobe Creative Cloud のアカウント設定に不穏な項目があることに気づきました。Adobe はすべてのユーザーを「コンテンツ分析」プログラムにデフォルトで参加させていたのです。
規約には、製品やサービスの開発・向上のため、機械学習などの技術を使ってユーザーのコンテンツを分析する場合があると明記されていました。これを見たクリエイターの間では、自分の作品がひそかに AI の学習データとして吸い上げられているのではないかという懸念が一気に広がりました。
Adobe はメディアの取材に対し、この方針は新しいものではなく 10 年前から存在していたと説明しています。しかし、AI 学習を巡る著作権問題が過熱する現在、この説明だけで納得するユーザーはほとんどいませんでした。
実際に AI の学習に使われているのか
結論から言えば、学習には使われていますが、ユーザーが恐れているような形とは少し異なります。
Adobe は取材に対し、ユーザーの Creative Cloud アカウントに保存されているデータを「実験的な生成 AI 機能」のトレーニングに使用することはないと明言しました。
一方で公式ドキュメントを確認すると、製品の改善を目的としてユーザーのコンテンツを集約し、その集約データを使ってアルゴリズムを訓練していると記されています。Adobe によると、これは Lightroom で猫や犬を自動認識してタグ付けする機能や、Photoshop の遠近感補正といった日常的なツール機能の改善、あるいは利用傾向の分析を目的としたものだとしています。また、状況によっては人の手による目視確認が行われる場合もあります。
なぜ重要か
問題の本質は、アルゴリズムの訓練そのものよりも、オプトインではなくデフォルトでオプトアウト形式にされていた点にあると私たちは考えます。
クラッシュレポートなどのテレメトリデータの送信ならともかく、制作物そのものを機械学習の対象にする仕組みを勝手に有効化しておく手法は、プロの現場では受け入れられません。守秘義務契約や未公開の商業資産を扱うクリエイターにとって、不透明なデータ収集は重大なリスクだからです。
また、「実験的な生成 AI には使わない」という法的に慎重すぎる物言いは、実験段階を終えた正式機能なら使われるのではないかという疑念の余地を残しています。
Creative Cloud を利用しているなら、今すぐ Adobe のプライバシー設定ページにアクセスし、コンテンツ分析のチェックを手動でオフにすることをお勧めします。生成 AI に対する警戒感が高まる中、プラットフォーム企業が事後承諾のような姿勢を取り続けることは、ブランドの信頼性を大きく損なう行為だと言えます。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com