YouTube、AI学習のオプトイン設定を導入:クリエイターの動画利用はデフォルト拒否に
YouTubeは第三者AI企業への動画学習許可を設定できる新機能を発表した。初期状態では全第三者による学習が拒否され、OpenAIやAppleなど18社から個別に許可できる。ただし、Google自身による自社モデルの学習は対象外となる。

自分の動画が勝手に最先端 AI の学習データとして使われていたとしたら、納得のいかないクリエイターは多いはずです。
YouTube は 12 月 16 日、サードパーティの AI 企業が動画を使ってモデルの学習を行うことをクリエイター自身が許可できるオプトイン機能を発表しました。
デフォルトは拒否、18 社から選べる許可リスト
今回の機能における最も大きなポイントは、デフォルト設定が「サードパーティによる学習を許可しない」になっている点です。
クリエイターが明示的に設定を変えない限り、外部企業が動画をモデルの学習に使うことは本人の意向に反する行為だとプラットフォーム側が定義した形になります。
YouTube Studio のコンテンツマネージャーで管理者権限を持つユーザーは、チャンネル設定画面からいつでも許可状況を変更できます。
提示された初期リストには 18 社が並んでおり、OpenAI や Anthropic、Apple、Meta、Microsoft、Nvidia、ByteDance、Runway、Stability AI、xAI などが名を連ねています。
特定の企業だけを選んで許可することも、すべての外部企業をまとめて許可することも可能です。
YouTube はこの機能を、将来的にクリエイターが学習データの提供によって正当な報酬を受け取れるようにするための第一歩と位置づけています。ゆくゆくは許可された企業に対して動画の直接ダウンロード機能を提供する計画もあります。
ただし、過去にすでに行われてしまった外部 AI の学習に対して遡及的な効果があるかどうかについて、YouTube は明言していません。
身内である Google だけは例外扱い
外部からのアクセスを遮断する一方で、自社グループに対する扱いは別です。
YouTube は TechCrunch の取材に対し、この設定はサードパーティ企業にのみ適用されると説明しました。親会社である Google 自身は、既存の利用規約に基づいて引き続き YouTube 動画を自社 AI の学習に利用します。
皮肉なことに、同じ 12 月 16 日には Google DeepMind が OpenAI の Sora に対抗する動画生成 AI モデル Veo 2 を発表したばかりでした。
YouTube は 9 月の時点でこうした制御機能の提供を予告しており、クリエイターの顔や声を AI で模倣されるのを防ぐ検出ツールの開発も進めています。
なぜ重要か
今回の YouTube の対応は、クリエイター保護を打ち出しながら自社の防壁を固める非常に計算された一手だと私たちは考えます。
動画制作者にとっては、自分の作品が無断で外部モデルに吸い取られる状況に公式な歯止めがかかるため、歓迎すべき前進です。今すぐ金銭的な還元があるわけではありませんが、今後のライセンス交渉に向けた土台が整いました。
一方で、自社である Google だけがフリーパスで学習を続けられる二重基準には強い疑問が残ります。
AI 業界全体から見れば、高品質な動画データを無料でウェブスクレイピングできる時代が終わりを告げつつあることを意味しています。Runway などの競合各社は、今後 YouTube の門番を通過するためにライセンス料を支払う必要性に直面するかもしれません。
YouTube はクリエイターの権利を守るポーズを取りつつ、世界最大の動画ライブラリという最強の資産を Google の AI 競争力のために囲い込み始めたように見えます。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
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