本文へスキップ
IFAI

AIモデル

xAIが「Grok 4 Fast」発表:コスト98%削減で無料ユーザーにも開放

公開 拡散指数 52

xAIは低コスト推論モデル「Grok 4 Fast」を公開した。200万トークンの文脈窓を備え、推論と通常応答を1つのモデルに統合。Grok 4同等の性能を維持しつつ思考トークンを40%削減し、コストを98%抑えた。LMArenaの検索ランキングでも首位を獲得し、無料ユーザーを含む全員に即日開放されている。

xAIが「Grok 4 Fast」発表:コスト98%削減で無料ユーザーにも開放
画像:x.ai

推論モデルを使う際、これまでは「賢いが遅くて高額」か「速くて安いが複雑な推論で破綻する」の二者択一を迫られるのが常でした。xAI はこのトレードオフを解消しにかかっています。

xAI は高いコスト効率を誇る新モデル「Grok 4 Fast」を発表しました。フラッグシップである Grok 4 と同等のベンチマークスコアを維持しながら、平均して思考トークンを 40% 削減。単価の引き下げと合わせ、同等性能を達成するためのコストを最大 98% 削減したと説明しています。第三者調査機関の Artificial Analysis によっても、公開モデルの中でトップクラスのコストパフォーマンス比であると認定されました。

統合アーキテクチャと検索アリーナ首位の破壊力

従来、通常の即答モードと長考する推論モードを切り替えるには、別々のモデルを呼び出すのが一般的でした。Grok 4 Fast では単一のモデル重みで両方の処理をこなす統合アーキテクチャを採用しており、システムプロンプトによって動作を制御できます。

また、ツール利用に関する強化学習を徹底したことで、ウェブや X 上のリンク巡回、画像・動画の読み取りを伴うリアルタイム検索が大幅に強化されました。ブラインド評価の LMArena において、検索アリーナで Grok 4 Fast(コードネーム:menlo)は Elo レーティング 1163 を獲得し、o3-search を 17 ポイント引き離して 1 位に立ちました。テキストアリーナ(コードネーム:tahoe)でも 8 位に入り、同等サイズの競合モデルを圧倒しています。

200 万トークンの長文対応と破壊的な低価格

実用面でのスペックも大幅に引き上げられました。コンテキストウィンドウは最大 2M(200 万)トークンに対応し、膨大なドキュメントの読み込みが可能です。

API 価格は、128k トークン以下の処理で入力 100 万トークンあたり 0.20 ドル、出力 0.50 ドル、キャッシュ利用時の入力は 0.05 ドルに設定されました。128k 以上の長文でも入力 0.40 ドル、出力 1.00 ドルにとどまります。さらに、grok.com では有料会員だけでなく無料ユーザーを含むすべての人に無制限で開放され、Fast モードや Auto モードで即日利用可能になりました。

なぜ重要か

一般ユーザーにとって、最新の推論モデルとリアルタイム検索が無料・無制限で使えるメリットは非常に大きいです。最新ニュースのファクトチェックや複雑な調べ物において、ブラウザでいくつもタブを開く手間が大幅に減るはずです。

開発者にとっては、2M トークンの超長文処理を極めて低いランニングコストで回せるようになったことが最大の変革です。これまで推論コストの高さから敬遠されがちだったコードベース全体の解析や自律型エージェントの運用が、一気に現実的な選択肢になります。

私たちの見解として、xAI が思考モードと非思考モードを単一モデルに統合した判断は見事です。システムの複雑さを減らしつつレイテンシを抑える設計は実用的と言えます。リアルタイムのウェブ情報や SNS 投稿を積極的に参照するため、ノイズ情報の混入という懸念は残るものの、上位モデル並みの知能をここまで安価に開放したことで、競合他社に対する価格引き下げ圧力はさらに強まるはずです。

情報源 (1)

  1. [1]

毎日のAIピックアップ