xAIがGrok 4.3を公開:常時推論に対応、API価格を最大60%値下げ
昨晩、xAIは最新の大規模言語モデル「Grok 4.3」と音声複製スイートを発表した。常時推論や100万トークンの文脈に対応し、Web検索などの自律ツールを備える。API価格は入力100万トークンあたり1.25ドル、出力2.5ドルへと前代から4〜6割値下げされた。

イーロン・マスク氏とサム・アルトマン氏の法廷闘争が続くなか、xAIは開発の手を緩めていません。
xAIは新たな独自基盤モデル「Grok 4.3」を正式公開し、あわせてWeb上で利用できる音声クローンツール群の提供を開始しました。創業メンバー10名全員が退社するという組織の動揺を経ての投入となります。
推論の内蔵と大幅なAPI値下げ
第三者評価機関Artificial Analysisのベンチマークによると、Grok 4.3は前世代のGrok 4.2から大幅な性能向上を見せていますが、OpenAIやAnthropicの最高峰モデルにはまだ届いていません。
その代わり、今回の目玉となっているのが積極的な価格設定です。
API価格は入力100万トークンあたり1.25ドル、出力100万トークンあたり2.50ドルに設定されました。キャッシュされた入力なら0.20ドルまで下がります。これはGrok 4.2の初期価格と比べて約40%から60%の値下げです。
コンテキストウィンドウは100万トークンに拡大され、テキストと画像入力を受け付けます。20万トークンを超えるリクエストには追加料金が適用される仕組みです。
また、Grok 4.3は常時推論や調整可能な思考プロセスを備え、複雑な指示を自律的にこなすエージェント向けに最適化されています。知識のカットオフは2025年12月ですが、内蔵のWeb検索やXのリアルタイム検索、Pythonのサンドボックス実行環境を使って最新情報を補完します。
初期テストでは、6分以上思考して数式入りのExcelダッシュボードを作成したり、体裁の整った12ページのPDFレポートを生成する事例が確認されています。
なお、短時間の音声から複製できる音声クローン機能も登場し、音声エージェントAPIは米国限定で1時間あたり3.00ドルで提供されます。
なぜ重要か
開発者にとって、Grok 4.3は長文脈の処理やデータ生成を低コストで回せる極めて魅力的な選択肢です。実務レベルのOffice文書出力やPythonコード実行を伴うエージェントを作りたいなら、今すぐ試す価値があります。
業界全体から見れば、単なるベンチマーク競争から、ツール連携と価格破壊による実用性勝負へと潮目が移っていることを示しています。Xのリアルタイムデータと低廉なAPIを組み合わせる戦術は、競合にとっても侮れない脅威になるはずです。
最高性能で無理に張り合わず、価格とエージェント機能に注力した判断は賢明だと考えられます。一方で、創業陣の大量離脱という痛手を負ったxAIが、この開発ペースと信頼性を長期的に維持できるかは慎重に見極める必要があります。
情報源 (2)
- venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com
- docs.x.ai(新しいタブで開きます)報道docs.x.ai