xAI、初の米国外拠点をサウジに建設へ 500MW超施設にGB300を1.8万基導入
サウジ公共投資基金傘下のHUMAINは今週、xAIと提携し、同社初となる米国外の大規模AIデータセンターを建設すると発表した。500MW以上の規模で、第1陣として約1万8000基のNVIDIA GB300を導入してGrokを訓練するほか、サウジ全土の公害・民間システムにGrokを全面導入する計画だ。

イーロン・マスク率いるxAIが、米国を出て初となる海外の大規模AI拠点づくりに乗り出しました。
ワシントンD.C.で開催された米サウジ投資フォーラムにおいて、xAIはサウジ公的投資基金(PIF)傘下のHUMAINと包括的提携を締結しました。中核となるのは、500メガワット(MW)を超える超大規模GPUデータセンターの建設と、サウジ全土へのGrokモデルの展開です。
xAIにとって、米国外でこれほどの大規模計算基盤を構築するのは今回が初めてとなります。
1万8000基のGB300と全国ネットワーク
合意によると、新設されるフラッグシップデータセンターの初期クラスターには、NVIDIAの次世代GPU「GB300」が約1万8000基配備されます。これらは将来のGrokモデルの事前学習や推論を支える計算資源となります。
両社は単一のデータセンターにとどまらず、サウジ国内のAI計算拠点を結ぶ全国的な計算ファブリックを共同で構築する計画です。
さらにソフトウェア面でも、Grokをサウジ全土の統一AI基盤として導入します。政府機関や民間企業に対して意思決定ツールやリアルタイム情報を提供する予定です。
HUMAIN独自のエージェントプラットフォーム「HUMAIN ONE」にもGrokが統合され、業務の自律化や応用AIの導入を推進します。
資源と資本で狙うAIハブ
サウジによる米ハイテク大手への投資はこれが初めてではありません。HUMAINは今年すでに、AMD、NVIDIA、Qualcommともデータセンター関連の合意を結んでいます。
広大な土地、安価なエネルギー、そしてPIFの潤沢な資金力を生かし、サウジは単なる石油輸出国から「AI計算力の世界的輸出国」への転換を急いでいます。
xAI側としても、テネシー州メンフィスなどで直面してきた電力網の制約を回避し、膨大な電力を迅速に確保できるメリットがあります。
なぜ重要か
ユーザーや開発者視点では、次世代Grokの性能向上ペースが維持、あるいは加速することが期待できます。1万8000基のGB300と500MW超の電力基盤が確保されたことで、大規模なフロンティアモデルを学習させる体制が一段と強固になりました。
中東地域でビジネスを行う企業にとっては、Grokが政府系プラットフォームに深く組み込まれるため、地域内で最もアクセスしやすい基盤モデルになる可能性があります。
業界全体で見れば、AI競争の主戦場がチップの確保だけでなく「エネルギーとインフラの確保」へと完全にシフトしたことを物語っています。OpenAIなどが米国内で電力確保に奔走するなか、米国外のオイルマネーと直結する道を選んだxAIの動きは、競合他社にも海外インフラ開拓を迫るはずです。
ただし、米国の最先端半導体輸出規制や地政学的リスクとの折り合いをどうつけるかという課題は残ります。それでも、電力不足に悩むフロンティアAI開発において、この規模のエネルギーを即座に手に入れられる選択肢は極めて魅力的だったと私たちは考えます。
情報源 (2)
- humain.com(新しいタブで開きます)原文humain.com
- middleeastainews.com(新しいタブで開きます)報道middleeastainews.com