Wix、プロンプトだけでWebサイト全体を自動生成するAIツールを発表
Wixはプロンプトを入力するだけでサイト全体を自動構築する「AI website builder」を発表した。定型テンプレートを使わず、ChatGPTと独自アルゴリズムで文案からデザインまで生成する仕組みで、業務支援AIアシスタントの投入も予告している。

ノーコードツールでWebサイトを作ったことがある人なら、テンプレートを選んだ瞬間に満足し、いざ自分のテキストや写真を流し込んだ途端に全体のデザインが崩れて頭を抱えた経験があるはずです。
ホームページ作成プラットフォームのWixが、その面倒なプロセスをAIで刷新しようとしています。CEOのAvishai Abrahami氏は同社のAIに関する取り組みを振り返りつつ、プロンプトを入力するだけでWebサイトをまるごと構築できる「AI Website Builder」を近日中にリリースすると発表しました。
Wixは2016年に初期の自動作成機能であるADI(Artificial Design Intelligence)を導入していましたが、今回の仕組みは最新の生成AIを全面的に組み込んだものになっています。
プロンプトから「テンプレートではない」サイトを自動生成
新ツールの使い方はシンプルです。作りたいWebサイトの目的や業種、ターゲット層を文章で入力するだけです。
サイト全体のテキスト生成はOpenAIのChatGPTが担当し、Wix独自のデザインエンジンとアルゴリズムが、その内容に合わせたレイアウト、配色、画像をゼロから組み上げます。
Abrahami氏によると、既存のテンプレートにテキストを流し込むのではなく、コンテンツの文脈に合わせてレイアウトそのものを完全カスタマイズして出力する点が特徴です。生成後も、修正したい内容をプロンプトで指示するだけでデザインや文言の変更が可能です。
さらに、単なる静的なページではなく、Wixが持つネットショップ、予約システム、レストラン注文、イベント管理といった実用的なビジネスアプリと最初から連携した状態で仕上がります。
すでにサイトを持っているユーザー向けには、指示文だけで特定のページやセクションを追加できる「AI Page and Section Creator」や、画像内の不要な被写体を消去・操作できる「Object Eraser」も順次提供される予定です。
Wixのエディタ上ではすでに、ChatGPTを活用したテキスト生成ツールや、画像生成、自動背景削除、動画ファイルから予告編を自動作成するツール、ネットショップ向けの商品説明文生成機能などが稼働しています。
なぜ重要か
スモールビジネスのオーナーや個人事業主、エンジニアのいないスタートアップにとって、サイト制作のハードルは劇的に下がります。外注費をかけたり、ブロックの配置に何時間も悩んだりすることなく、数分で決済や予約機能がついた実用的なサイトの骨組みが手に入るため、新サービスの仮説検証には間違いなく試す価値があります。
Wixの立ち回りは非常に巧みです。最近は「AIでWebサイトを一瞬で生成する」と謳う単独のスタートアップが乱立していますが、その多くは見栄えの良いランディングページを作れるだけで、裏側の在庫管理や予約台帳、決済システムまではカバーできていません。Wixは文章生成にChatGPTを使いつつ、同社が十数年かけて築いてきた堅牢なビジネスバックエンドをそのまま組み合わせることで実用性を担保しています。
一方で懸念されるのは、どこかで見たような「AI感」あふれるサイトがネット上に溢れかえるリスクです。レイアウトや定型文はAIが完璧に整えてくれますが、顧客を引きつける独自のブランド性や信頼感まで自動生成できるわけではありません。制作が手軽になればなるほど、発注者のビジネス設計やオリジナリティが浮き彫りになりそうです。
情報源 (1)
- wix.com(新しいタブで開きます)原文wix.com