Thinking Machinesが「Inkling」公開、975BのオープンマルチモーダルMoE
Thinking MachinesはオープンウェイトのマルチモーダルMoEモデル「Inkling」を公開した。総パラメータ975B(アクティブ41B)で1Mコンテキストに対応する。推論時の思考強度を調整して計算コストを抑えられるのが特徴で、微調整プラットフォームTinkerでも即日利用可能となった。

Thinking Machinesが公開した「Inkling」は、総パラメータ数975B、アクティブ41Bのオープンウェイト型マルチモーダルMoEモデルです。1Mトークンのコンテキストウィンドウに対応し、テキスト、画像、音声をネイティブに処理します。
推論時の「思考強度(thinking effort)」を開発者が直接制御できるのが特徴で、タスクの難易度に応じて処理速度と推論品質を調整できます。
何ができるのか
Inklingは外部エンコーダーを挟まず、音声スペクトログラムや画像パッチをテキストと同じ空間で直接処理する統合アーキテクチャを採用しています。
画像解析ではPythonコードを自律実行してズームや切り抜きを行いながら推論を進めることが可能です。エージェント開発向けにも調整されており、対話的なWebアプリのワンショット生成や、複数回のコードレビューを挟んだゲーム開発の反復改善に対応します。
思考強度を最適化した場合、Terminal BenchにおいてNemotron 3 Ultraと同等のコーディング精度を3分の1のトークン消費量で達成できるとされています。なお、今回の出力はテキストやコードなどの文字列形式に限定されます。
あわせて、アクティブパラメータを12B(総パラメータ276B)に抑えた軽量版「Inkling-Small」のプレビュー版も用意されています。
動作要件と利用方法
モデルサイズが極めて巨大なため、一般的なPC環境での稼働は想定されていません。
Hugging Faceで配布されているフルウェイトは1.9TBに達し、NVFP4版でも592GBのVRAMを要します。コミュニティのUnslothが公開した1-bit量子化GGUFでも約270GBあり、極端な量子化では出力精度の劣化に注意が必要です。
自前のハードウェアを用意できない場合は、同社のTinkerコンソール上にあるPlaygroundでブラウザから対話テストや微調整タスクを試すことができます。
なぜ重要か
音声や画像を含むリッチな入力をオープンウェイトで自前環境に組み込み、独自データでファインチューニングしたいチームにとって有力な選択肢となります。
ただし第三者機関のベンチマークを見る限り、純粋なテキスト生成速度や推論力ではGLM 5.2やDeepSeek V4の後塵を拝しています。万能なチャットボットとして即戦力を期待するのではなく、自社専用のマルチモーダルエージェントを作るための改変用ベースモデルと捉えるのが妥当です。
情報源 (4)
- thinkingmachines.ai(新しいタブで開きます)原文thinkingmachines.ai
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com
- youtube.com(新しいタブで開きます)報道youtube.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com