SunoがiOS向けアプリを公開:スマホでプロンプトから楽曲生成
AI音楽生成のSunoがAppleのApp StoreでiOSアプリを公開した。テキストを入力するだけで、ボーカルや伴奏を含むフル楽曲を数分で作成できる。一方で同社は現在、モデルの学習データを巡り大手レコード会社各社から著作権侵害の訴訟を起こされている。

曲を作るには、かつては楽器の演奏技術や高価な機材、DTMの知識が必要でした。しかし今や、iPhoneの画面に言葉を入力するだけでよくなりつつあります。
音楽生成AIのSunoが、AppleのApp StoreでiOSアプリの提供を開始しました。テキストのプロンプトを入力するだけで、ボーカルや楽器演奏、アレンジまで含めたフルコーラスの楽曲を数分で生成できます。
SunoのCEOであるMikey Shulman氏によると、これまでに1200万人が自己表現や教育、娯楽のためにSunoを利用してきました。今回のアプリ化により、ふとアイデアが浮かんだその瞬間に、いつでもポケットから音楽スタジオを取り出せるようになります。
大手レコード会社との法的対立の中で
このタイミングでのアプリ公開は、極めて攻めの姿勢と言えます。というのも、Sunoは現在、極めて大規模な著作権侵害訴訟の真っ只中にあるからです。
6月24日、全米レコード協会を通じて、ユニバーサルミュージック、ソニーミュージックエンタテインメント、ワーナーレコードの三大レーベルがSunoとUdioを提訴しました。許諾を得ずに著作権保護された楽曲をAIの学習に使用し、実在アーティストに酷似した楽曲を生成できるようにしているという主張です。
レーベル側は侵害1作品あたり最大15万ドルの損害賠償を求めています。これに対しShulman氏は、同社の技術は既存コンテンツを記憶して吐き出すものではなく、完全に新しい作品を生み出すよう設計されていると反論し、フェアユースに該当すると主張しています。
訴訟リスクを抱えながらもアプリをリリースしたことは、自社の技術とビジネスモデルに対する強気な姿勢を示しています。
なぜ重要か
一般ユーザーや動画クリエイターにとって、Sunoが手元のスマートフォンで使えるようになった価値は大きいです。BGMの作成や個人的な余興のための楽曲制作が、移動中の数分で完結するようになります。
業界全体から見ても、ウェブブラウザ中心のサービスから手軽なモバイルアプリへと移行したことで、音楽制作の敷居が一気に下がりました。競合サービスに対しても、配布チャネルの面で大きなプレッシャーを与える動きだと考えられます。
一方で、最大の懸念は依然として法的な結末です。1作品あたり15万ドルという賠償請求は、企業にとって致命的な規模になりかねません。法廷闘争の行方が定まる前に、できるだけ多くのモバイルユーザーを取り込んで既成事実を作りたいという思惑が見え隠れします。
情報源 (1)
- venturebeat.com(新しいタブで開きます)原文venturebeat.com