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スターバックス、店舗向けAI「Green Dot Assist」を試験導入

公開 拡散指数 32

スターバックスは35店舗でAIアシスタント「Green Dot Assist」のパイロット運用を開始した。Microsoft AzureのOpenAI基盤を活用し、店員は店内のiPadからレシピ確認や機器の不具合対応をリアルタイムで行える。2026年度には米国とカナダの全店へ展開される予定だ。

スターバックス、店舗向けAI「Green Dot Assist」を試験導入
画像:restaurantdive.com

注文が殺到するピーク時のカフェでは、新人が複雑なカスタムレシピに慌てたり、コーヒーマシンのエラー表示に頭を抱えたりする光景が珍しくありません。

スターバックスはこの現場の混乱をAIで解消しようとしています。同社のデブ・ホール・レフェーブル最高技術責任者(CTO)は火曜日、バリスタをリアルタイムで支援するAIアシスタント「Green Dot Assist」を現在35店舗で試験導入していると発表しました。

CNBCの報道によると、このシステムは米マイクロソフトのAzure OpenAIサービスを基盤に構築されており、今秋に始まる同社の2026年度中に米国およびカナダ全域の店舗へ展開される見通しです。

店舗のiPadに常駐する「指南役」

公開されたデモ映像によると、従業員は店内のiPadから自然言語で質問を投げかけることで、対話形式の回答を即座に得られます。

対応範囲は現場の日常業務全般に及びます。時給スタッフは特定ドリンクの原材料を確認でき、新人はレシピの学習に活用できます。マシントラブルの初期トラブルシューティングを案内することも可能です。

さらに店長向けには、スタッフが急な体調不良などで突発的に欠勤した際、代わりの出勤メンバーを迅速に手配・選定する機能も提供されます。

同社はこれと並行して、注文精度と稼働率を高める次世代POSシステムの開発や、モバイルオーダーの受け取り混雑を緩和する順序付けアルゴリズムの改良も進めています。来店客の直接注文は4分以内、モバイル注文は12〜15分以内での提供完了を理想目標として掲げています。

業績テコ入れを狙う「Back to Starbucks」

一連のテクノロジー刷新は、同社が掲げる事業再生戦略「Back to Starbucks」の一環です。

スターバックスは既存店売上高と客足が5四半期連続で低迷しています。ブランド再建のため昨年9月にCEOへ就任したブライアン・ニコル氏は、矢継ぎ早に改革を断行してきました。

ニコル氏はすでに、コンディメントバー(砂糖やミルクのセルフ台)の復活、誰でも利用できたオープンドア方針の見直し、不人気メニューの削減、本社組織の再編、そして2022年に廃止されていたCOO(最高執行責任者)職の復活などを実施しています。

今回のAI導入も、従業員をマニュアル確認や調整業務から解放し、接客とドリンク作りに集中させるための現実的な一手と言えます。

なぜ重要か

スターバックスの今回の施策は、派手な「接客AI」に走らず、裏方のバリスタ支援に特化した点で極めて賢明だと私たちは考えます。

ファストフード業界のドライブスルーなどで見られた顧客向けAI音声注文は、聞き間違いや認識遅延により度々批判を浴びてきました。スターバックスはAIを客から見えない厨房内に配置することで、顧客体験を損なうリスクを避けつつ、調製ミスや待ち時間の削減という実利を狙っています。

特に頻繁なメニュー変更や複雑なカスタマイズを覚える負担は、現場スタッフの高い離職率の一因になっていました。手元のiPadで即座に正解がわかる環境は、新人の教育コストと心理的負担を大きく下げるはずです。

ただし懸念点もあります。激しいピーク時に、手が塞がっているバリスタがわざわざ画面を操作してAIに頼る余裕があるのかという点です。操作性に少しでも引っかかりがあれば、スタッフはすぐに使わなくなり、従来通りフロアで先輩を呼び止めるやり方に戻ってしまう可能性があります。

外食・小売産業全体にとって、スターバックスの取り組みは、生成AIの初期導入における最適な主戦場が「接客の自動化」ではなく「現場オペレーションの即時ナレッジ化」にあることを示す重要な試金石となるでしょう。

情報源 (1)

  1. [1]
    restaurantdive.com(新しいタブで開きます)原文restaurantdive.com

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