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業界動向

Stability AI、Stable Diffusionの中核開発チームが退職

公開 拡散指数 66

ForbesはStable Diffusionのコア論文著者であるRobin Rombach氏ら主要研究者3名がStability AIを退職したと報じた。同社では幹部の離脱が相次ぎ、多額の計算資源コストや資金難に直面している。

Stability AI、Stable Diffusionの中核開発チームが退職
画像:siliconangle.com

世界中に画像生成AIブームを巻き起こした立役者たちが、次々と会社を去っています。

米Forbesの報道によると、画像生成モデル「Stable Diffusion」の中核を担った研究チームの主要メンバーが、英ユニコーン企業のStability AIを退職しました。CEOのEmad Mostaque氏が先週の全社ミーティングで明かしたもので、チームを率いたRobin Rombach氏のほか、Andreas Blattmann氏、Dominik Lorenz氏の離脱が確認されています。3人はいずれも、ドイツの大学で同技術の基礎研究を手がけた5人の原著者のうちのメンバーです。

皮肉なことに、彼らは先月、従来の拡散構造にChatGPTなどで使われるTransformerを組み合わせた最新版「Stable Diffusion 3」を発表したばかりでした。

止まらない幹部・技術者の流出

Stable Diffusionはもともと、ミュンヘン大学やハイデルベルク大学の研究プロジェクトとして誕生しました。論文発表から7か月後、Mostaque氏が計算リソースの提供を持ちかけたことでStability AIが関与するようになり、2022年の公開とともに世界的なバイラルを起こしました。この成功を足がかりに同社は1億ドル以上を調達し、研究室の博士課程にいたRombach氏らを正規雇用しました。

しかし、この屋台骨が今、完全に抜け落ちようとしています。

過去1年間で同社を去った幹部の顔ぶれは深刻です。プロダクト、エンジニアリング、研究開発、応用機械学習を担当する各バイスプレジデントがそろって退社。リサーチ責任者のDavid Ha氏や複数のLLMリード、さらに著作権データの扱いを巡り抗議の辞任をしたオーディオ担当VPのEd Newton-Rex氏も含まれます。加えて、最高執行責任者(COO)や法務責任者、人事トップまでもが退職しました。

月800万ドルの燃焼と見えない収益化

人材流出の背景にあるのは、深刻な資金難です。

Bloombergの報道によると、同社は事業運営のために毎月およそ800万ドルを費やしており、計算資源と人件費の負担が売上を大幅に上回っています。Mostaque氏は昨年11月、月次売上が300万ドルに達する見込みだとSNSに投稿したものの、後にその投稿を削除しました。

主要株主のCoatueやLightspeed Venture Partnersはすでに取締役会から退任し、Coatueに至ってはMostaque氏の退任や会社の身売りを要求したと報じられています。昨年10月に米Intelから5000万ドルの転換社債を取り付けて急場をしのいだものの、目指していた4億ドルの大型調達はいまだ実現していません。

資金を確保するため、同社は買収から1年も経たない画像編集プラットフォーム「Clipdrop」を売却。さらに商業利用向けに月額20ドルからの有料ライセンスを導入し、先頃も4Kアップスケーリングや自然言語編集に対応した新たなREST API群を発表するなど、必死のマネタイズに追われています。

なぜ重要か

オープンソースの画像生成モデルに依存してきた開発者やクリエイターにとって、今回の事態は極めて大きなリスクです。Stable Diffusionは、無数の外部ツールや追加学習モデルの土台としてエコシステムを牽引してきました。しかし、根幹の研究者が去った今、今後のモデル刷新や継続的なコミュニティ支援の質が維持されるかは不透明です。商用プロダクトに組み込んでいる開発者は、代替APIやプロプライエタリなモデルの併用を真剣に検討すべき時期に来ています。

業界全体から見れば、Stability AIのアプローチが抱えていた歪みが露呈した形と言えます。学術研究に潤沢な計算資源を提供して成果を自社ブランドに結びつけ、巨額のバリュエーションを獲得したものの、モデルを無償開放しながら重いクラウド請求書を払い続けるビジネスモデルは破綻寸前です。

Inflection AIの創業陣がMicrosoftへ合流したニュースに続き、単独のスタートアップが資本力なしに基盤モデル競争を戦い抜く難しさが浮き彫りになっています。生成AIのブームを点火したパイオニアであっても、持続可能な収益基盤とガバナンスが欠けていれば生き残れないという、過酷な現実を示しています。

情報源 (3)

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    forbes.com(新しいタブで開きます)原文forbes.com
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