ソフトバンク孫正義氏「AGIは2030年までに全人類の10倍賢くなる」
ソフトバンクの孫正義会長兼社長はの年次イベントで、AGI(汎用人工知能)が2030年までに全人類の英知の総和の10倍に達するとの見解を示した。完全自動運転やノーベル賞級の科学的成果を生み出すと予測し、AIを使わない人は金魚鉢の金魚のように取り残されると警告した。

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、AIを使わない人々への強烈な警鐘を鳴らしました。
ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたところによると、孫氏は10月4日に開催された年次イベント「SoftBank World」に登壇。金魚鉢に入った金魚の画像を背に、聴衆へ「金魚になりたいですか?」と問いかけました。
孫氏は、全人類の知能の総和の10倍に達する汎用人工知能(AGI)が、2030年までに実現すると予測。「活用するか、それとも取り残されるかだ」と語りました。
金魚かサルか、それとも超知能か
孫氏の主張によれば、AIを受け入れる人と拒絶する人の間には、人間とサルほどの知力差が生まれるといいます。
さらに孫氏は、AGIの台頭によって完全自動運転への移行が完了し、ノーベル賞級の科学的発見がAIから次々と生まれる時代が来ると述べました。
傘下の半導体設計大手Armの新規株式公開を終えたばかりの同氏は、先月にも数十億ドル規模をAI関連企業へ投資する意向が報じられていました。
ロイターは、孫氏が過去にも新技術に対して大胆な予言を繰り返してきた歴史を指摘しています。モバイルインターネットのように的中したものもあれば、IoTのように期待ほど広がらなかった分野もあります。
米マイクロソフトが今年、自社システムにAGIの兆候が見られるとする論文を発表した一方、多くの研究者は物理世界への理解が欠けているとして懐疑的な姿勢を崩していません。
なぜ重要か
孫氏の過激な比喩は、Arm上場後のソフトバンクが次世代AI投資へ巨額資金を投じるための強烈なナラティブ作りだと私たちは考えます。
「金魚」という極端な言葉で危機感を煽る手法は世間の耳目を集める点では巧みですが、2030年までに人類の10倍の知能に達するという見立ては、現在のLLMが抱えるハルシネーションや物理認識の壁を軽視しているリスクがあります。
現場のビジネスパーソンや開発者にとって、2030年のAGI到来を恐れる必要はまだありません。いますぐ試すべき価値があるのは、身近な生成AIツールを実際の業務フローに落とし込み、生産性をどこまで上げられるかを検証することです。
ノーベル賞を受賞するAGIが登場する前に直面するのは、わずか3秒の音声データで本人になりすます詐欺など、足元の悪用リスクです。極端な未来予測に惑わされず、現実的なツールの活用と防御に注力すべき局面に見えます。
情報源 (1)
- pymnts.com(新しいタブで開きます)原文pymnts.com