SnowflakeがOpenAIと2億ドルの提携、企業データ上で直接モデル活用
SnowflakeとOpenAIは2億ドル規模の複数年提携を発表した。企業ユーザーはSnowflake Cortex AIやSnowflake Intelligenceを通じてOpenAIの先端モデルを利用でき、SQLからの呼び出しや自然言語でのデータ分析、独自エージェント構築を安全な環境内で行えるようになる。

企業のAI導入において、1社のモデルだけに賭ける時代は早くも終わりを告げたようです。
クラウドデータ大手のSnowflakeは2月2日、OpenAIと複数年で総額2億ドル規模のパートナーシップを締結したと発表しました。これにより、GPT-5.2をはじめとするOpenAIのフロンティアモデルが、Snowflake Cortex AIやSnowflake Intelligenceに直接組み込まれます。
Snowflakeを利用する1万2600社以上の企業顧客は、主要な3大クラウド環境において、自社のデータを安全に保持したままOpenAIの推論機能を活用できるようになります。
SQLから直接OpenAIモデルを実行
この連携の強みは、普段の業務環境に深く溶け込んでいる点にあります。
Snowflake Cortex AI Functionsを利用すれば、エンジニアは使い慣れたSQL文の中から直接OpenAIモデルを呼び出せます。テーブル内の構造化データだけでなく、テキスト、画像、音声データに対しても、データベースから外に出すことなく高度な分析を行えます。
非エンジニア向けには、Snowflake Intelligenceを介して自然言語で質問するだけで、コードを書かずに社内データの検索や分析が可能になります。すでにCanvaやウェアラブル機器のWHOOPなどが導入を進めています。今後はOpenAI Apps SDKやAgentKitとの連携も予定されており、Snowflake社内でもChatGPT Enterpriseが全社導入されます。
2カ月前にAnthropicとも2億ドル契約
このニュースに既視感を覚えたなら、それは自然な反応です。Snowflakeは昨年12月初旬、OpenAIのライバルであるAnthropicともまったく同額の2億ドルの提携を結んだばかりです。
SnowflakeのAI担当バイスプレジデントであるBaris Gultekin氏は、同社が「モデル非依存」の立場を徹底しており、顧客を特定のベンダーに囲い込むつもりはないとコメントしています。プラットフォーム上にはOpenAIやAnthropicに加え、GoogleやMetaのモデルも並びます。
今年1月にはServiceNowもOpenAIとAnthropicの双方と相次いで大型契約を結びました。投資会社の間ではAnthropic優勢説とOpenAI首位説が飛び交っていますが、現場の企業はタクシーアプリのUberとLyftを使い分けるように、複数モデルを併用するのが常識になりつつあります。
なぜ重要か
業務データを持つ企業にとって、セキュリティ審査の壁を越えて外部APIにデータを送るのは大きな負担でした。今回の統合により、厳格なガバナンス下にあるSnowflake内部のSQLから直接GPT-5.2を叩けるようになった価値は非常に高く、既存ユーザーなら今すぐ検証する価値があります。
業界全体から見れば、モデル開発企業がエンタープライズ市場を単独で独占するシナリオはほぼ消滅しました。企業は可用性とコストを担保するため、主要ベンダーの両方と契約することを標準戦略に据え始めています。
賢いのは間違いなくSnowflakeです。自らをデータの金庫番に位置づけ、モデルメーカー同士の激しい消耗戦を自社基盤の利用量拡大へと巧みに変換しています。一方でモデル開発企業にとっては、SQL内の引数を書き換えるだけで他社製モデルへ乗り換えられる環境が整うことを意味し、価格競争とコモディティ化の圧力が一段と強まりそうです。
情報源 (2)
- openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com