本文へスキップ
IFAI

AIモデル

OpenAIのアルトマンCEO、GPT-4への過度な期待に「失望することになる」と釘を刺す

公開 拡散指数 47

OpenAIのサム・アルトマンCEOはインタビューで、次世代モデル「GPT-4」を巡る過熱報道に苦言を呈した。ネットで拡散された「100兆パラメータ」という噂を一蹴し、人々が期待するようなAGIはまだ存在しないと説明。安全性と責任が確認できた段階で公開する方針を示した。

ChatGPTが世界中に巻き起こした熱狂のなか、次期言語モデル「GPT-4」に対する期待は早くも制御不能な領域に突入しています。そんな加熱する世論に対し、OpenAIのサム・アルトマンCEO自らが冷や水を浴びせました。

StrictlyVCのインタビューに応じたアルトマン氏は、GPT-4にまつわる過剰な期待について、人々は自ら失望を望んでいるようなものであり、実際に失望することになるだろうと率直に語りました。

100兆パラメータというデマを一蹴

インターネット上では、GPT-3の1750億パラメータに対し、GPT-4が100兆パラメータに達するという比較グラフが拡散していました。アルトマン氏はこの噂を一蹴し、完全にでたらめだと切り捨てています。

噂の出所は分からず、あまりにも馬鹿げていると同氏は指摘しました。世間の熱狂ぶりはまるでOpenAIが汎用人工知能(AGI)をすでに完成させたかのような期待を寄せていますが、同社はそのようなAGIを保持していないと明言しています。

年内の第1四半期や上半期にリリースされるという見方についても、アルトマン氏は具体的な時期の明言を避けました。安全かつ責任を持って提供できると確信が持てた段階で登場することになると述べるにとどまっています。

動画生成AI、Googleとの競合、そして個別カスタマイズ

インタビューではGPT-4の枠を超え、AIを取り巻く今後の展望についても言及がありました。

MetaやGoogleが研究成果を披露している動画生成AIについて、OpenAIも本格的な研究プロジェクトとして取り組んでいることを認めました。いつ実現するかは断言できないものの、いずれ確実に登場すると説明しています。

同社の収益については、まだ非常に初期の段階であり、大した額は稼げていないと正直に明かしました。

また、ChatGPTがGoogleを駆逐するという言説に対しても慎重な見方を示しています。新技術が登場した際に既存の大企業が終わると語られるケースは、大半が見当違いだと指摘しました。Googleには対抗策を打つ知性と高い能力があり、検索のあり方は変わるにせよ、短期的に劇的な結末を迎えるわけではないとの考えです。

バイアスや検閲の問題については、将来的にユーザー自身が数ページの価値観や希望する振る舞いを記述し、AIがそれを読み込んで個別に適応できる形が望ましいと語りました。教育現場における盗作懸念についても、検知ツールは対症療法に過ぎず、社会はかつての電卓のように生成テキストへ適応していくべきだとの見解を示しています。

なぜ重要か

一般ユーザーや開発者にとって、今回の発言は過度な幻想を捨てるための重要なシグナルです。GPT-4は確実に進化を遂げるはずですが、突如として全能の知性が誕生するわけではありません。パラメータ数の多寡に踊らされるのではなく、実務での信頼性や安全性の向上に目を向けるべきです。

業界全体にとっても、アルトマン氏の姿勢は巧みな期待値コントロールと言えます。テック業界では、膨らみすぎた期待が製品の実力と乖離した際、激しい反動と信頼失墜を招くリスクが常に付きまといます。AGIの幻想を否定し、責任あるリリースを強調することで、開発チームに必要な時間を確保する狙いが見て取れます。

また、既存の検索巨人であるGoogleの反撃力を冷静に見積もっている点も極めて現実的です。ただし、一度火がついた世間の熱狂をトップの警告だけで鎮火させるのは容易ではなく、実際の製品が登場した際に生じる現実とのギャップをどう埋めるかが、今後の大きな課題になりそうです。

情報源 (1)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

毎日のAIピックアップ