本文へスキップ
IFAI

業界動向

米俳優組合SAG-AFTRA、スト終結で暫定合意 AI規制条項を盛り込む

公開 拡散指数 43

米俳優組合SAG-AFTRAは午後、ハリウッド制作会社側(AMPTP)との暫定合意を承認し、118日間に及ぶストライキの終結を決定した。合意にはAIの脅威から俳優を守る同意や補償に関する前例のない保護規定が盛り込まれた。正式発効には全国理事会の承認と組合員投票が必要となる。

米俳優組合SAG-AFTRA、スト終結で暫定合意 AI規制条項を盛り込む
画像:theverge.com

約4カ月にわたりストップしていたハリウッドの撮影現場が、ついに動き出します。

全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)は、映画製作者同盟(AMPTP)との間で暫定合意に達したことを発表しました。118日間に及んだストライキは、11月9日午前0時1分をもって正式に終結しました。

10億ドル超の合意と、AIへの防波堤

組合側はこの協約を、総額10億ドルを超える歴史的な合意だと説明しています。

最大の争点の一つだったのが生成AIへの対策です。声明によると、俳優の肖像や声をAIの脅威から守るため、同意と適切な報酬を義務付ける前例のない条項が盛り込まれました。

賃金面でも業界標準を上回る最低報酬の引き上げが勝ち取られ、ストリーミング配信の視聴実績に応じたボーナス制度も初めて新設されました。エキストラなどの背景出演者の待遇改善や、年金・健康保険の拠出上限の引き上げも含まれています。

合意の詳細は全米理事会の承認を経てから組合員投票にかけられる予定です。7月中旬から続いたストライキにより、実写版『白雪姫』や『デューン 砂の惑星 PART2』、『デッドプール3』などの公開延期が相次いでいました。

なぜ重要か

この合意は、生成AIの台頭に直面するクリエイティブ産業にとって極めて重要な先例になると考えられます。

とくにエキストラをはじめとする現場の演者にとって、一度スキャンされただけでデジタルアバターとして無制限に使われるリスクは現実の脅威でした。事前の同意と都度の報酬支払いを義務付けたことは、人間の尊厳と仕事を最低限守るための大きな防波堤になります。

映画業界全体にとっても、AIをどのように活用すべきかというルールが初めて明確になりました。スタジオ側が勝手に俳優のデータをモデル学習に回すようなやり方は通用しなくなります。

もちろん、技術がさらに進化すれば条項の抜け穴をめぐる摩擦は今後も起こり得ます。それでも、労働組合が団結してAIに対する法的縛りを勝ち取ったという事実は、他業種のクリエイターたちにとっても大きな勇気を与えるはずです。

情報源 (1)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com

トピックを追うハリウッドのAIを巡る労働争議

このトピックのニュース。新しい順です。

  1. 米俳優組合SAG-AFTRA、スト終結で暫定合意 AI規制条項を盛り込むこの記事
  2. 米俳優組合のスト交渉がAI巡り再び決裂、制作側の肖像権「永久保有」要求に反発
  3. 米上院が「No Fakes Act」草案提示:本人の同意なきAI複製を禁止へ、SAG-AFTRAも支持
  4. 米脚本家組合がスト終結へ:ChatGPT強制利用の禁止など生成AI規制で合意
  5. ハリウッド脚本家スト終結:AIによる執筆やChatGPTの強制利用を禁止へ

毎日のAIピックアップ