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業界動向

米成人の半数がAIを利用も、6割超が「進化が速すぎる」と懸念

公開 拡散指数 54

米ピュー研究所が発表した調査によると、米成人の約半数がAIチャットボットを利用しており、ChatGPTの利用率は44%に達しました。一方でAIに対する警戒感は根強く、63%が「進化が速すぎる」、71%が「個人データの安全性が損なわれる」と回答しています。

米成人の半数がAIを利用も、6割超が「進化が速すぎる」と懸念
画像:pewresearch.org

アルゴリズムに仕事を奪われることを恐れ、プライバシーの流出を心配しながらも、手元のChatGPTは手放せない。そんな利用実態がデータとして浮き彫りになりました。

ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が米国の成人5,119人を対象に実施した最新調査によると、AIチャットボットを利用している米国成人の割合は49%に達し、2024年夏の33%から急増しました。成人の約4人に1人が毎日利用しており、4%は「ほぼ常に」利用していると回答しています。

しかし、普及が進む一方で、人々の視線はかつてないほど冷ややかです。

若年層ほど強い悲観論と広がる不信感

調査結果で最も際立っているのは、利用率の高さとテクノロジーに対する警戒感のギャップです。今後20年でAIが社会に好影響を与えると信じている人はわずか16%にとどまり、40%が悪影響をもたらすと予想しています。また、3人に2人近くが「開発スピードが速すぎる」と懸念を示しました。

さらに、米政府がAIを有意義に規制できると信じていない人は67%にのぼり、テクノロジー企業が安全に開発を進めていると信用していない人も59%に達しています。

意外なことに、最も否定的な見方をしているのは若者世代です。30歳未満の成人で社会に好影響をもたらすと考えているのはわずか14%で、48%が悪影響を予測しています。ChatGPTの利用率は50歳未満が50歳以上の約2倍(57%対28%)に達しているにもかかわらず、使っている当事者ほど将来を悲観している構図が見て取れます。

圧倒的なChatGPTと実用重視の利用実態

ブランド別では、OpenAIのChatGPTが44%と圧倒的なシェアを維持しており、2023年の調査開始時から倍増しています。2位はGoogleのGeminiで24%、Microsoft Copilotが17%、Meta AIが14%と続きます。玄人人気の高いClaude(6%)やGrok(8%)、Character.ai(3%)は依然として一部の利用にとどまります。

利用目的のトップは情報検索(42%)と職場の業務(就労者の38%)です。画像や動画の生成・編集、医療や健康のアドバイスは2割前後にすぎず、議論の多い感情的サポート(10%)や対話の相手(4%)といった用途はごく少数でした。

チャット画面を開くだけでなく、検索結果トップに表示されるAI生成サマリーを読む人は全体の60%に達しています。さらに、スマートウォッチ(37%)やスマートスピーカー(35%)、AI搭載ドアホン(18%)など、ハードウェアを通じた浸透も着実に進んでいます。

なぜ重要か

今回の調査結果は、AIツールが日常のインフラとして定着した一方で、ユーザーが強い不安を抱えたまま使わされている実態を浮き彫りにしています。

ユーザーの視点では、AIはもはや未来の玩具ではなく、毎日の検索や実務効率を底上げする道具として価値が証明されています。生産性の向上を感じている人は30%に達し、悪影響を感じている人(5%)を大きく上回っています。背伸びした使い方をしなくても、日常業務のアシスタントとして活用する価値は十分にあります。

一方で業界にとっては、深刻な「信頼の赤字」が浮き彫りになりました。利用者が増えているからといって社会に歓迎されているわけではなく、過半数が規制能力や企業の倫理観を疑っています。急速な進化をアピールすればするほど、一般層の警戒心は強まる一方です。

私たちは、AI企業が今後注力すべきは派手な新機能の誇示ではなく、データの透明性や安全性の担保であると考えます。道具としての利便性を提供しつつ、ユーザーの不安を丁寧に解消できない企業は、いずれ強烈なバックラッシュに直面することになるはずです。

情報源 (2)

  1. [1]
    pewresearch.org(新しいタブで開きます)原文pewresearch.org
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

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