OpenAI、「GPT-6 Sol」と「GPT-6 Luna」発表 API価格を半額化、コーディングと日常業務向け
OpenAIは新モデル「GPT-6 Sol」と「GPT-6 Luna」を発表した。前世代からAPI価格を半額に抑えつつ、フラグシップ「Astra」譲りの高精度な推論やコーディング性能を実現。ChatGPTの有料プラン向けに提供が始まり、無料ユーザーもデスクトップアプリでLunaを利用できる。

自律型AIエージェントを本気で動かしている開発者にとって、最大の悩みは毎月のAPI請求書です。
OpenAIが公開した社内データによると、同社の研究者が使うトークン量は凄まじく、中央値の研究者でも1日あたり600ドル相当、上位10%になると7000ドル以上を消費しています。最高峰の頭脳は魅力的ですが、常時稼働させるにはコストが高すぎました。
こうした課題に対し、OpenAIは9月22日、コスト効率を極限まで高めた新モデル「GPT-6 Sol」と「GPT-6 Luna」を発表しました。
API価格を50%引き下げ、誤答も半減
9月初頭に登場した旗艦モデル「GPT-6 Astra」は圧倒的な性能を持つ一方、日常業務で大量に使うには贅沢な存在でした。今回のSolとLunaは、そのAstraで培った推論やコーディングの技術を受け継ぎながら、実用的なコスト帯へと落とし込んだモデルです。
API価格は前世代のGPT-5.6と比べて一挙に50%引き下げられました。Solは100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドル。大量処理に特化したLunaに至っては、入力0.10ドル・出力0.50ドルという破格の安さです。
さらにプロンプトキャッシュ機能も強化され、キャッシュにヒットした入力トークンは90%引きになります。GitHubによると、Copilotの膨大なリクエストにおいて、新規処理が必要なトークンが半減したといいます。
実用面で嬉しいのは「嘘」の減少です。OpenAIの社内テストにおいて、Solが事実誤認を起こす割合は前世代の半分に減り、上位のAstraに迫る信頼性を達成しました。Lunaも推論リソースを増やすことで、GPT-5.6 Solと同等の正確性を約100分の1のコストで実現できます。
ライバルAnthropicを意識したベンチマーク
この発表のわずか90分前、ライバルのAnthropicが「Opus 5.5」を公開していました。両社の激しい競合関係を反映するように、OpenAIのベンチマークはClaudeを強く意識したものになっています。
業務自動化を測るAutomationBenchでは、SolがClaude Opus 5を上回るスコアを記録しつつ、タスクあたりのコストをわずか9%に抑えました。
ソフトウェア開発の難問を解くDeepSWE v1.1でも、Solは68.8%を記録し、Claude Fable 5の最高スコア(69.9%)に肉薄しながら、コストを約80%削減しています。安価なLunaですら、中負荷のOpus 5やFable 5と同等の水準を9割以上安い費用で叩き出しました。
両モデルはChatGPTの有料プラン(Plus、Pro、Businessなど)向けにChatGPT WorkやCodexで順次提供されており、Amazon Bedrockでも即日利用可能です。無料ユーザーもデスクトップアプリからLunaを試すことができます。
なぜ重要か
今回の発表は、派手な知能競争から「実戦でのコスト破壊」へと戦局が移ったことを明確に示しています。
開発者や企業にとって、SolとLunaの登場はエージェント運用のハードルを劇的に下げます。これまでトークン代を気にして躊躇していたコードの自動修正や複数回のリトライを、日常的なパイプラインとして組み込めるようになります。特にLunaの価格設定は、大量の社内文書の要約や分類をノータイムで回すのに最適です。
競合であるAnthropicに対しては強烈な先制パンチとなります。同等水準のタスクを8割から9割引きのコストで実行できるとなれば、エンタープライズ導入の現場でOpenAIが優位に立つのは間違いありません。
もっとも、極めて複雑なアーキテクチャ設計や重要な意思決定では、依然として最上位のAstraが必要になる場面もあります。しかし、日々の開発タスクの8割をSolに任せ、定型処理をLunaに振るという分担を行えば、開発組織の生産性と費用対効果は今すぐ跳ね上がるはずです。
情報源 (5)
- openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com
- aws.amazon.com(新しいタブで開きます)報道aws.amazon.com
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com
- youtube.com(新しいタブで開きます)報道youtube.com
- theverge.com(新しいタブで開きます)報道theverge.com