OpenAIがGPT-4.5をプレビュー公開:事前学習を大規模化し対話力を向上
OpenAIは最大規模の対話モデル「GPT-4.5」の研究プレビューを公開した。教師なし学習をスケールアップし、幅広い知識と高い共感力、ハルシネーションの低減を実現。ChatGPT Proユーザーおよび有料API開発者向けに提供を開始した。

業界全体が推論特化型の遅延思考モデルに傾倒するなか、OpenAIが王道の事前学習スケーリングに戻ってきました。
OpenAIは2月27日、これまでで最大規模となるチャット向けフラッグシップモデル「GPT-4.5」の研究プレビューを公開しました。マイクロソフトのAzure AIスーパーコンピューター上で膨大な計算リソースを投じて学習されています。
思考プロセスなし、直感と知識で勝負する巨大モデル
GPT-4.5は、o1やo3-miniのように回答前に思考ログを生成するタイプではありません。OpenAIは知能の軸を、論理や理系タスクを解く推論スケーリングと、直感や世界理解を担う教師なし学習スケーリングの2系統に整理しており、本作は後者の極致と位置づけられています。
小型モデル由来のデータを活用して超巨大モデルを調教する新しい教師あり学習手法を取り入れたことで、事実性の評価指標であるSimpleQAでのハルシネーション発生率が明確に下がりました。文脈のニュアンスを汲み取る力や共感力、美的センスの向上がアピールされています。
ただし、モデルサイズが極めて大きいため計算コストが跳ね上がっています。OpenAIは、GPT-4.5はGPT-4oを置き換える存在ではなく、APIとして長期的に提供を続けるかどうかすら利用者のフィードバックを見ながら判断すると説明しています。
まずはProユーザーから、音声機能は非対応
ChatGPT Proの加入者は、ウェブやアプリのモデル選択メニューから即日試すことができます。PlusとTeamプランには来週、EnterpriseとEduには再来週に順次展開される予定です。
ファイル読み込み、画像認識、検索、作業スペースのCanvasには対応していますが、高度な音声モードやリアルタイムの動画、画面共有といったマルチモーダル機能には対応していません。
有料枠のAPI開発者向けにもプレビューが始まり、関数呼び出しや構造化出力、画像入力が利用できます。安全評価シートによると、サイバー攻撃や自律行動のリスクは低水準にとどまり、化学・生物兵器関連や説得力のリスクは中程度と判定されています。
なぜ重要か
私たちは、この発表が「事前学習のスケーリング限界説」に対する強力な反論になっていると考えます。推論モデル全盛の今、生のパラメーター量と事前学習を押し広げるだけでも、対話の自然さや常識の把握力において他を圧倒できることを証明した格好です。
クリエイティブライティングや高度なプランニングを必要とするユーザーにとって、行間を読んでくれる高い共感力は大きな武器になります。しかし、高額な運用コストを考えると、一般的なアプリのバックエンドとして組み込むのは現時点では現実的ではありません。
長期的提供を確約せず、実験的プレビューとして費用感を包み隠さず公表したOpenAIの姿勢は極めて現実的です。ただ、この高価な知能をいかに手頃なサイズへ蒸留できるかを示せなければ、商用モデルとしての実用性は限られた枠にとどまることになりそうです。
情報源 (2)
- openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com
- openai.com(新しいタブで開きます)報道openai.com