OpenAIとコモン・センス・メディア、教員向け無料AI研修コースを開設
米OpenAIと非営利団体Common Sense Mediaは水曜日、初等・中等教育の教員向け無料オンライン講座「ChatGPT Foundations for K-12 Educators」を公開した。所要時間は1時間未満で、AIの基礎や倫理、授業での活用法を学べる。有料プラン不要で受講可能だ。

生成AIの登場以来、教育現場では生徒の不正利用への警戒が先行し、教員自身も授業準備や採点に追われながら、プライバシーや倫理面への懸念からツールの活用に二の足を踏む状況が続いていました。
こうした中、OpenAIは教育者支援へ舵を切りました。同社は非営利団体のCommon Sense Mediaと提携し、K-12(幼稚園から高校まで)の教員を対象とした無料のオンライン研修プログラム「ChatGPT Foundations for K-12 Educators」を公開しました。
1時間未満で学べる実践的カリキュラム
今回の講座は、忙しい教員でも受講しやすいよう、所要時間が1時間未満に設計されています。
内容はChatGPTの具体的なプロンプト例にとどまりません。AIの仕組みやデータプライバシーの配慮事項、倫理的な利用法から、授業案の作成や採点、個別の学習教材づくりにどう活かすかまでを網羅しています。
OpenAIで教育部門を率いるリア・ベルスキー氏は、K-12におけるAI導入はまだ初期段階であり、教員の支援と生徒の学習成果向上のために技術者と教育関係者の連携が欠かせないと述べています。
先行して全米の10を超える学区でパイロット版が実施され、受講者の98パーセントが実際の業務に応用できる新しいアイデアや戦略を得られたと回答したとのことです。
受講はCommon Sense Mediaのウェブサイト上で本日から無料で提供されており、有償プランであるChatGPT Eduの契約も必要ありません。両団体の公式な提携は今回が初めてで、今後も取り組みを拡大する方針です。
なぜ重要か
教員にとって最大の価値は、心理的・制度的なハードルを下げられる点にあります。個人情報漏洩や倫理面のリスクを懸念してAIを避けていた現場の教員が、安全な境界線と具体的な業務効率化の手法を短時間で確認できるため、試す価値は十分にあります。
業界の視点では、OpenAIが教育界で高い信頼を持つCommon Sense Mediaと手を組んだ点が賢明と言えます。当初はAIの利用禁止に走りがちだった学校現場に対し、安全教育という形で歩み寄り、地ならしを進める狙いがうかがえます。
GoogleとMITも教員向けの無料生成AIコースを展開しており、教育プラットフォームを巡る競争は着実に激化しています。有料プランを無理に売り込むのではなく、無償の基礎知識を提供して教員を自社のエコシステムに引き込む手法は極めて自然です。
ただし、1時間足らずの簡易研修では、データ漏洩の防止といった最低限のルールを学ぶのが精一杯とも言えます。各教科の指導法に踏み込んだ本格的な活用や、生徒の思考力を損なわないための継続的な支援体制をどう築けるかが今後の課題になりそうです。
情報源 (1)
- zdnet.com(新しいタブで開きます)原文zdnet.com