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ChatGPTに「学習モード」追加:答えを教えずステップ解説で理解促す

公開 拡散指数 52

OpenAIはChatGPTに「学習モード(study mode)」を導入した。無料版およびPlus、Pro、Teamのログインユーザーが利用できる。答えを即座に出すのではなく、問いかけやヒント、小テストを通じて自力での理解を促す仕組みで、将来的にモデル本体へ直接学習させる計画だ。

ChatGPTに「学習モード」追加:答えを教えずステップ解説で理解促す
画像:openai.com

多くの学生にとって、ChatGPT は宿題の答えを即座に出してくれる便利な道具になっていました。しかしその代償として、今年 6 月には ChatGPT を使って小論文を書いた人は、検索エンジンを使った人や自力で書いた人に比べて脳の活動量が低下していたという研究結果も報告されています。

OpenAI は 7 月 29 日、この課題に対応する新機能「学習モード」(Study mode)を ChatGPT に追加しました。単に答えを出力するのではなく、ユーザーに対話を促しながら段階的に理解を深めさせる機能です。

対象は Free、Plus、Pro、Team のログインユーザーで、教育機関向けの ChatGPT Edu にも今後数週間以内に提供される予定です。

答えを教えず、問いを投げかけるソクラテス式対話

使い方は、ChatGPT のツールから「Study and learn」を選択するだけです。

有効にすると、ChatGPT はすぐに解答を示すのをやめ、ヒントを与えたり、問いかけを行ったりして学習者自身に考えさせるアプローチをとります。教材を理解しやすい単位に細分化し、理解度チェックのクイズを挟みながら対話を進める設計です。場合によっては、学習者が自ら考えようとしない限り、直接の答えを提示しないこともあります。

OpenAI によると、この挙動は教育関係者や学習科学の専門家と協力して作成したカスタムシステム指示によって制御されています。会話ごとに多少の挙動のばらつきが出る可能性はあるものの、まずは実際のフィードバックを素早く集めるためこの手法を採用したとしており、今後は主要モデル自体に直接学習させていく方針です。

逃げ道は残されたまま:オフにすればすぐに答えが出る

同様のアプローチとしては、Anthropic が 4 月に Claude 向けに「Learning Mode」を投入しています。ただし、どちらのツールにも共通する大きな課題があります。

それは、学習モードをいつでも簡単にオフにできる点です。締め切りに追われた学生がスイッチを切り替えれば、従来の「答えを教えてくれる ChatGPT」に一瞬で戻ってしまいます。

OpenAI で教育部門のバイスプレジデントを務める Leah Belsky 氏は TechCrunch に対し、現時点では保護者や学校管理者が学習モードを強制固定する機能は提供していないと説明しました。将来的には管理者機能の導入も検討するとしていますが、現段階では完全に本人の自律性に依存しています。

なお、OpenAI はスタンフォード大学の SCALE イニシアチブなどと連携し、AI が初等・中等教育に与える影響の調査も進めています。

なぜ重要か

意欲のある学習者や大学生にとっては、非常に有用なアップデートです。これまでは「家庭教師のように振る舞って、すぐには答えを言わないで」といちいちプロンプトで指示する必要がありましたが、ボタンひとつで質の高い対話学習を始められるようになりました。

業界全体で見ると、これは OpenAI による教育現場への重要なアピールです。2022 年の登場以来、カンニングや思考力の低下を懸念した教育機関によるアクセス禁止と解除の議論が続いてきました。学校向けプランである ChatGPT Edu の導入を広げるためには、「AI は子供を怠惰にするのではなく、深い思考を促す」という証拠を示す必要があります。

システム指示で素早くリリースし、データを集めてからベースモデルに焼き込むという開発手法は非常に現実的でスマートだと評価できます。しかし、強制力のないオプトイン方式にとどまっている点は明確な弱点です。学校や保護者が管理できるロック機能が備わらない限り、大半の生徒は提出直前の課題を前にして、通常の解答モードへと逃げてしまう可能性が高いと私たちは考えています。

情報源 (2)

  1. [1]
    openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

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