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業界動向

OpenAIと米Broadcom、LLM推論専用チップ「Jalapeño」発表 9カ月で開発

公開 拡散指数 42

OpenAIと米BroadcomはLLM推論に特化した独自プロセッサ「Jalapeño」を発表した。OpenAIのモデルも活用し、設計からテープアウトまでわずか9カ月で完了。初期テストでは現行最高峰のアクセラレータを大幅に上回る電力効率を示しており、2026年末からギガワット規模で配備される計画だ。

OpenAIと米Broadcom、LLM推論専用チップ「Jalapeño」発表 9カ月で開発
画像:openai.com

最先端 AI モデルの開発競争において、最大のコスト要因はすでに学習から推論へと移っています。

OpenAI はその最大のボトルネックに直接手を打ちました。同社は米 Broadcom と共同開発した、初の大規模言語モデル(LLM)推論特化型カスタムチップ「Jalapeño」を発表しました。Broadcom のホック・タン CEO らが OpenAI のサム・アルトマン CEO とグレッグ・ブロックマン社長に直接サンプルを手渡す形で披露されています。

自社 AI を活用し、わずか 9 か月でテープアウト達成

ハイエンドの先端半導体において、白紙設計から製造(テープアウト)まで進めるには通常数年単位の期間を要します。しかし Jalapeño の開発期間はわずか 9 か月でした。

OpenAI は、高性能 ASIC として史上最速の開発サイクルだと説明しています。Broadcom の半導体実装技術や Celestica によるボード・ラック統合に加え、OpenAI 自身の AI モデルを設計や最適化プロセスに投入したことがこの驚異的なスピードを可能にしました。

現在、実験室のエンジニアリングサンプルは目標周波数と消費電力で稼働しており、未発表の GPT-5.3-Codex-Spark などの ML ワークロードを実行しています。初期テストでは、既存の最先端アクセラレータを大幅に上回る電力効率(パフォーマンス/ワット)を記録しており、詳細な技術レポートも数か月以内に公開される予定です。

LLM 特化でデータ転送のムダを排除

Jalapeño は従来の汎用 GPU と異なり、グラフィックスや過去の機械学習処理を引きずらない LLM 推論専用のアーキテクチャを採用しています。

OpenAI が ChatGPT や Codex、API 経由で日々処理している実際のトラフィックパターンを分析し、計算ユニット、メモリ、そして Broadcom の Tomahawk を含む高速ネットワークのバランスを最適化しました。データの無駄な移動を減らすことで、理論上の限界値に近い稼働率を引き出しています。

このチップは複数世代にわたる長期ロードマップの第 1 弾と位置づけられており、Microsoft などのデータセンターパートナーとともに、2026 年末までにギガワット規模での導入を進める計画です。

なぜ重要か

OpenAI にとって、自社モデル、製品、そして基盤となる半導体まで垂直統合するフルスタック戦略の重要なピースが埋まりました。推論コストが下がれば、ChatGPT の応答高速化や、自律型 AI エージェントのように何十回も推論を繰り返すタスクの低価格化に直結します。

半導体業界にとっても、Nvidia への極端な依存を避ける動きが決定的な段階に入ったことを示しています。TechCrunch などが指摘するように、Google の TPU や Amazon の独自チップに続き、最大手ユーザーである OpenAI までが内製化に踏み切ったことで、推論市場における Nvidia の価格決定力は確実に揺らぎます。

AI でチップを設計し、そのチップで次世代 AI を動かすという好循環を作った点は極めて巧みです。一方で、チップ製造自体はファウンドリに依存し、大規模配備には Celestica や Microsoft との綿密な協業が不可欠です。2026 年に向けてギガワット規模のインフラを予定通り立ち上げられるか、サプライチェーン管理の実効性が問われることになります。

情報源 (2)

  1. [1]
    openai.com(新しいタブで開きます)原文openai.com
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com

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