OpenAI、米Amazonから100億ドル超の出資交渉か 独自AIチップ採用も
火曜日、CNBCの報道によると、OpenAIはAmazonと100億ドル規模を超える出資およびAIチップ採用に関する協議を進めている。Microsoftによる計算リソースの優先権が解除されたことを受け、OpenAIは調達網の多角化を加速させている。Anthropicを支援するAmazonにとっても生成AIへの布石を広げる狙いがある。

生成AI界隈で続いていたクラウド大手の陣営争いが、完全に崩れつつあります。
OpenAIが米Amazonと出資受け入れに向けた協議を行っており、その規模は100億ドルを超える可能性があるとCNBCが報じました。この交渉はThe Informationが先行して伝えたもので、内容はまだ流動的ですが、Amazon独自のAIチップを採用する合意も含まれているとされています。
背景にあるのは、OpenAIが10月に完了した事業再編です。これまで130億ドル以上を投資してきた長年のパートナーである米Microsoftとの関係が見直され、Microsoftが持っていたコンピュート提供の優先交渉権が撤回されました。これにより、OpenAIは他社からの資金調達や第三者との提携を自由に行える立場を手に入れました。
複雑化する資本の蜘蛛の巣
現在の大手テック企業の資本関係は、かつてないほど入り乱れています。AmazonはこれまでOpenAIのライバルであるAnthropicに少なくとも80億ドルを投じてきましたが、生成AI市場全体の急成長を取り込むため、さらなるリスク分散を図っています。
一方でMicrosoftも先月、Anthropicに最大50億ドルを出資すると発表し、Nvidiaも同社に最大100億ドルを投資する方針を示しました。かつて明確だった対立構図は消え去り、各社が有力スタートアップの両方に投資して自社クラウドを使わせようとしのぎを削っています。
OpenAI側の計算資源への需要も天井知らずです。同社はここ数カ月で、NvidiaやAMD、Broadcomとの協業を含む1兆4000億ドル超のインフラ調達を確約しました。先月にはAWSと初のクラウド契約となる380億ドル規模のキャパシティ購入に合意し、10月の従業員向け株式売却では評価額が5000億ドルに達しています。
存在感を高めるAWS独自チップ
今回の報道で最も注目すべきは、資金そのものよりもAmazonの独自チップが採用される可能性です。
AWSは2015年頃から独自AI半導体の内製を進めており、2018年には推論向けのInferentiaを発表、今月初めには最新世代の学習向けチップTrainiumを公開しました。Nvidia製GPUの供給不足や価格高騰に直面するAI企業にとって、これらの内製チップは現実的な選択肢になりつつあります。
もしOpenAIがTrainiumなどのハードウェアを本格導入すれば、Amazonのチップ開発力にとって最大の信任状になります。AWSは自社インフラ上で、AnthropicとOpenAIという二大勢力のワークロードを同時に稼働させる足がかりを得ることになります。
なぜ重要か
一般ユーザーや開発者にとって、この動きはAPIの安定供給や利用コストの低減につながる可能性があります。OpenAIがインフラの依存先をMicrosoft Azure単体からAWSやその自製チップへと分散させることで、障害リスクを回避しやすくなります。ただし、即座にサービスが劇的に変わるわけではなく、効果が現れるには時間がかかる見込みです。
業界全体から見れば、クラウドの囲い込みモデルが終焉を迎えたことを意味します。モデル開発企業が特定のクラウドに縛られる時代は終わり、巨大スタートアップがクラウド各社を競わせて条件を引き出す構図が定着しました。さらにNvidiaにとっても、主要顧客がAWSチップへの分散を真剣に進めている現実は小さくない脅威です。
私たちは、OpenAIが制約を外した途端に競合クラウドを天秤にかける動きは極めて抜け目がないと見ています。一方で、数カ月で1兆4000億ドルを超えるインフラ投資をコミットし続けるペースには危うさもあります。実用化と収益化のスピードがこの巨額の設備負担に追いつかなかった場合、大きな反動を抱え込むリスクは否定できません。
情報源 (2)
- bloomberg.com(新しいタブで開きます)原文bloomberg.com
- cnbc.com(新しいタブで開きます)報道cnbc.com