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NVIDIA、人型ロボ開発向け「Isaac GR00T Blueprint」を発表

公開 拡散指数 36

NVIDIAはのCESにて、人型ロボットの動作データを合成生成する「Isaac GR00T Blueprint」を発表した。Apple Vision Proでの実演を起点に、CosmosやOmniverse上で大規模データに拡張して模倣学習を行える。ボストン・ダイナミクスやFigureなどが採用を進める。

画像:blogs.nvidia.com

人型ロボットに新しい作業を教え込む際、最大の障壁となるのはモーターの性能でもバッテリーでもなく、学習データの不足です。

専門家による実演を見て学ぶ模倣学習は人型ロボットの主流ですが、現実世界で高品質な動作データを大量に集める作業は膨大な時間と莫大なコストを伴います。

NVIDIA のジェンスン・フアン CEO は CES の基調講演で、この課題を打破する「NVIDIA Isaac GR00T Blueprint」と、物理法則を理解する世界基盤モデル基盤「Cosmos」を発表しました。

Vision Pro から始まる3段階の合成データ生成

今回発表された GR00T Blueprint の目的は、わずかな人間の実演から指数関数的に巨大な合成動作データを生成することです。

プロセスは大きく3つのワークフローに分かれます。まず「GR00T-Teleop」で、オペレーターが Apple Vision Pro を装着し、デジタルツイン空間内で作業を実施します。仮想ロボットがその動きを模倣し、正解データとして記録されます。

次に「GR00T-Mimic」が記録された動作データを複製・多様化し、まとまった合成動作データセットへと拡張します。

仕上げとなるのが「GR00T-Gen」です。NVIDIA Omniverse と Cosmos を組み合わせ、ドメインランダム化や3Dアップスケーリングを用いることで、データセットをさらに爆発的に増やします。完成したデータは、オープンソースの学習基盤 Isaac Lab に投入され、ロボットの制御ポリシー訓練に使われます。

1.8京トークンを学習した世界基盤モデル「Cosmos」

シミュレーションで学んだロボットが現実世界でうまく動かないという、いわゆる「Sim-to-Real」問題にも踏み込みました。ここで機能するのが世界基盤モデル「Cosmos」です。

Cosmos は物理現象を正しく反映した映像や世界状態を生成できるオープンな事前学習モデル群で、自己回帰型と拡散型の両方が用意されています。自動運転、ロボット、ドローン映像、合成データなど、200万時間分に相当する1.8京(18 quadrillion)トークンで事前学習されました。

Omniverse の高精度な物理シミュレーションと連動させることで、世界モデルにありがちな物理的破綻(ハルシネーション)を防ぎつつ、3Dシミュレーション画面を実写レベルの質感へと引き上げます。すでに Boston Dynamics や Figure といった主要ロボットメーカーが採用を始めています。

なぜ重要か

人型ロボットの市場規模は今後10年で380億ドルに達すると予測されていますが、製造現場などの要求水準は極めて高く、データ収集の遅れがそのまま開発の遅れに直結していました。

ロボット開発者にとって、高価な機材や過酷な実機テストを減らし、Vision Pro と仮想空間だけで膨大な学習用動作を自動量産できる環境が整った価値は非常に大きいです。現在、ハードウェアやソフトウェアを手がけるメーカー向けに早期アクセスの申請受付が始まっています。

業界の視点で見れば、NVIDIA は生成AIと物理シミュレーションを完全に垂直統合し、物理AI分野でも CUDA と同様のデファクトスタンダードを握りにきたと言えます。データ収集から基盤モデル、シミュレータまでを丸ごと提供する囲い込みは極めて巧妙です。

とはいえ、どれほど精巧な合成データであっても、油や埃、予期せぬ摩擦が混在する実際の工場現場で、シミュレーション通りの動作精度を完全に担保できるかは未知数です。Cosmos が本当に現実の壁を壊せるのかは、実際の現場導入による検証を待つ必要があります。

情報源 (1)

  1. [1]
    blogs.nvidia.com(新しいタブで開きます)原文blogs.nvidia.com

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