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オープンソース

NVIDIA、気象AIモデル群「Earth-2」をオープンソース化 計算時間を90%削減

公開 拡散指数 47

NVIDIAは気象・気候予測AIモデル群「Earth-2」を発表し、オープンソースで公開した。独自インフラで微調整や実行が可能なフルスタックを提供し、イスラエル気象局の検証では計算時間を90%削減したという。Medium RangeなどのモデルはすでにGitHub等で提供されている。

画像:blogs.nvidia.com

NVIDIA Earth-2 は、気象・気候予測に特化したオープンソースの AI モデル群およびアクセラレーションソフトウェアスタックだ。従来は大型スパコンを占有していた物理ベースの数値気象予測を、組織独自のインフラ上で実行・微調整できる AI ワークフローへと変え、初期観測データの処理から15日間の全球予報、局地的な暴風雨予測までを一貫してカバーする。

構成とモデルの仕組み

従来の気象予測は、膨大な流体力学の方程式をスパコンの CPU クラスタで解く必要があり、計算コストと時間が大きな課題だった。Earth-2 は物理 AI を採用し、学習済みモデル、カスタマイズ手順、推論ライブラリをワンストップで提供する。

今回新たに公開された中核モデルには、全球の中期予報を担う Earth-2 Medium Range や、短時間の局地的激甚気象を追跡する Earth-2 Nowcasting が含まれる。これらは既存の高解像度化モデル CorrDiff や全球予測モデル FourCastNet3 と連携して機能する。さらに観測データを統合する Earth-2 Global Data Assimilation も今年後半に公開予定だ。

他社モデルとの相互運用性も確保されている。欧州中期予報センター(ECMWF)や Google、Microsoft のオープンモデルを統合できるほか、オープンソースの Python フレームワーク PhysicsNeMo を使って、ローカル環境で物理 AI モデルの大規模な学習やファインチューニングを行うことが可能だ。

90%の計算時間削減と現場での成果

実運用の現場からは具体的な数値が出ている。イスラエル気象局が 2.5 キロメートル解像度で Earth-2 CorrDiff を検証したところ、従来の CPU クラスタによる数値予測モデルと比較して計算時間を 90% 削減できたという。直近の豪雨時の検証では、CorrDiff で学習した AI モデルが、6時間の積算降水量の精度において既存の全現行モデルを上回った。

民間企業での導入も進んでいる。気象 AI スタートアップの Brightband は Earth-2 Medium Range を日常運用し、日々の全球予報を発行している。中国の大手太陽光事業者 GCL は太陽光発電量の予測システムに組み込み、従来より低コストで精度を大幅に向上させた。

米国のサウスウエスト・パワー・プール(SPP)と日立は風力発電予測の改善に Nowcasting を活用し、TotalEnergies や Eni、保険大手の AXA も極端気象リスクの評価に本モデルを採用している。

入手方法と公開状況

提供形態は完全にオープンだ。Earth-2 Medium Range および Earth-2 Nowcasting のコードと重みは、GitHub や Hugging Face、および開発ツール Earth2Studio で即座に利用できる。

ただし、スパコンが不要になったとはいえ、高解像度の全球予測やモデルの微調整には相応の GPU 計算リソースが求められる。またデータ同化ツールは年内公開予定のため、完全な自動パイプラインの構築には一部追加の準備が必要だ。

なぜ重要か

高精度な気象予測は長年、国家レベルのスパコンを持つ限られた研究機関の特権だった。Earth-2 が実運用レベルの気象 AI スタックをオープンソース化したことで、地域の気象機関や再生可能エネルギー事業者、保険会社が自前インフラで高精度な予測を行える環境が整った。

NVIDIA の狙いも明快だ。気象予測という最も計算資源を消費する科学計算の領域で基盤モデルを無償開放し、気象 AI の業界標準を押さえつつ、最終的な学習・推論の需要を自社 GPU エコシステムへと引き込んでいる。エネルギー運用や防災に関わる開発者にとって、既存の数値計算システムから移行・併用を検証する価値は極めて高い。

情報源 (1)

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    blogs.nvidia.com(新しいタブで開きます)原文blogs.nvidia.com

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