マスク氏、マイクロソフトを提訴と警告 Twitterデータの無断AI学習を主張
Twitterのイーロン・マスクCEOは、マイクロソフトがAIモデルの訓練にTwitterデータを違法利用したとして訴訟を示唆しました。広告プラットフォームからのTwitter除外報道を受けた反応ですが、現時点で正式な提訴は確認されていません。

マイクロソフトが広告プラットフォームからTwitterを除外しようとした矢先、イーロン・マスク氏が法廷闘争をちらつかせて猛反発しました。
焦点となったのは、広告機能そのものではなく、AI開発における最大の火種である学習データの権利問題です。
「違法に学習した」マスク氏が法的措置を示唆
マスク氏はソーシャルメディア上で、マイクロソフトがTwitterのデータを違法に使用して自社のAIモデルを訓練したと主張し、「訴訟の時間だ」と投稿しました。
この発言は、Mashableなどが、マイクロソフトが複数のSNSアカウントを一括管理できる自社広告基盤からTwitterを削除する方針だと報じた直後に出されたものです。
マスク氏はこれまでにも実現しない計画をネット上に投稿することが多く、現時点で正式な訴状が提出された形跡はありません。
マイクロソフトの担当者はコメントを控え、Twitter側も実質的な回答を示していません。
プラットフォーム各社が「データのタダ乗り」に反発
マイクロソフトは自社製の大規模言語モデルを開発するだけでなく、100億ドルを出資したOpenAIのモデル提供も手がけています。
OpenAIの共同創業者だったマスク氏は2018年に取締役を退任して以降、同社が非営利からマイクロソフトの影響下にある高収益企業へと変貌したことに不満を募らせていました。
GPTのようなモデルは膨大なテキストを必要とし、RedditやStackOverflow、Twitterのような対話データは自然な会話を学ばせる上で極めて価値が高いとされています。
しかし、データを生み出してきた企業側は締め出しと有料化に動き出しています。
Redditは今週、AI学習用APIの有料化を発表しました。ユニバーサル ミュージック グループもドレイク氏の歌声を模倣したAI楽曲を巡り、著作権侵害だと批判を強めています。
さらにゲッティイメージズが画像生成AIのStable Diffusionを提訴するなど、摩擦は各所に広がっています。マスク氏自身も昨年12月にOpenAIによるTwitterデータへのアクセスを遮断し、TruthGPTと呼ばれる独自の対抗モデル開発を進めています。
なぜ重要か
公開されたウェブデータなら何を学習させても自由だった時代は、完全に終わりを迎えつつあります。
AIを開発する企業にとって、今後はモデルの性能だけでなく、学習データの調達コストや法務リスクが致命的な重荷になっていくはずです。
マスク氏の今回の動きは、広告ツールを巡る小競り合いをAIデータの知的財産問題にすり替えた点で巧みな牽制に見えます。
一方で、フェアユース(公正利用)の法的判断が定まっていない現状で本当に訴訟へ踏み切れば、Twitter側にとっても長期化とコスト増という大きなリスクを背負い込むことになると私たちは考えます。
情報源 (1)
- cnbc.com(新しいタブで開きます)原文cnbc.com