イーロン・マスク氏、「TruthGPT」構想を発表:宇宙の真理を追求するAI目指す
イーロン・マスク氏はインタビューで、ChatGPTに対抗する「TruthGPT」の開発を進めていると明かしました。宇宙の本質を理解し「最大限に真実を追求するAI」を目指すことで、人類滅亡のリスクを避けられると主張しています。営利化が進むOpenAIへの対抗姿勢を示した形ですが、具体的な開発状況は不明です。

巨大AIモデルの開発一時停止を訴える公開書簡に署名したばかりのElon Musk氏が、自ら新たな対話型AIを開発する計画を明かしました。
米Fox NewsのTucker Carlson氏によるインタビューの中で、Musk氏は「TruthGPT」と名付けたプロジェクトを立ち上げると発言しました。宇宙の本質を理解しようとする「最大限に真実を追求するAI」を目指すとしています。
人類を「チンパンジー」のように保護させる論理
Musk氏によれば、宇宙の成り立ちを理解しようとするAIなら、人類を滅亡させる可能性は極めて低いといいます。なぜなら人類は宇宙の中で十分に興味深い存在だからです。
彼は人間とチンパンジーの関係を引き合いに出しました。人類はチンパンジーを全滅させる力を持っていますが、そうするのではなく生息地を守り、その存在を歓迎しています。AIに対しても、人間を「守る価値がある面白い存在」と認識させることが安全への道だという理屈です。
OpenAIへの不満とX.AIの設立
Musk氏はTruthGPTを、古巣であるOpenAIへの軌道修正策として位置付けています。自身が設立に関わったOpenAIが営利部門を立ち上げたことについて、利益追求の動機がAIモデルの倫理性を損なう恐れがあると批判し、TruthGPTをより透明性の高い選択肢にしたいと語りました。
彼は2月にも「必要なのはTruthGPTだ」とツイートしており、3月には未曾有のAI実験の一時停止を求める書簡に署名していました。しかしその裏で、Musk氏は3月に新会社「X.AI」を密かに設立していたことが分かっています。TruthGPTの開発が現在どの程度進んでいるのか、実態があるのかは不明です。
なぜ重要か
一般ユーザーや開発者にとって、現時点で試せるプロダクトやAPIは何一つありません。TruthGPTは今のところ構想と発言の段階に過ぎず、すぐに日常の業務や開発に影響が出るものではありません。
一方で業界全体にとっては、巨大テックによるAI競争にMusk氏が本格的に参入したことを意味します。開発停止を呼びかけながら自らは新会社を立ち上げて対抗モデルを発表する動きは、市場の主導権争いから降りる気がないことの表れです。彼が保有するTwitterのリアルタイムデータなどが活用されれば、OpenAIやGoogleに対抗する第三極になる可能性はあります。
ただし、「真実を追求するAI」というコンセプトには課題も多いと考えられます。何が客観的な真実で何が偏見なのかを定義することは、現在のすべての生成AIが直面している最も厄介な問題です。商業主義を批判しながら自らも企業を立ち上げて開発を進める中で、本当に他社と一線を画す透明性を実現できるのか、今後の実態を見極める必要があります。
情報源 (1)
- theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
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