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業界動向

米Microsoftと医療機関Mercyが提携 Azure OpenAIで患者対応や業務を効率化

公開 拡散指数 36

米Microsoftと米大手医療機関Mercyは、Azure OpenAI Serviceなどの生成AIを活用した複数年の業務提携を発表した。AIが患者向けに検査結果を分かりやすい言葉で解説するほか、予約電話の対応や院内規定を検索するチャットボットを導入する。医療従事者の事務負担を減らし、本来の診療ケアに注力できる環境を目指す。

検査結果のシートを受け取ったとき、専門用語や基準値の矢印を見て不安になった経験は誰にでもあるはずです。医師の診察を待つ間、検索エンジンで余計に心配を募らせる患者も少なくありません。

マイクロソフトはこの課題に生成AIで挑もうとしています。同社は9月27日、米国トップ20に入る大規模医療システムであるマーシー(Mercy)と複数年の協業を発表しました。Azure OpenAI Serviceを活用し、患者対応や現場スタッフの業務効率化に生成AIを導入します。

検査結果の「翻訳」から始める

今回の取り組みで注目すべきは、AIの使い道を非常に身近で具体的な課題に絞っている点です。

まず患者向けには、難解な検査結果を平易な言葉に言い換えて説明する機能を提供します。患者が自身の状態を事前に理解できるようにし、診察時の医師との対話をスムーズにする狙いがあります。

また、電話予約の受付業務にも生成AIを活用します。予約の受付だけでなく、必要な関連手続きや次回のアクションを同じ電話内で提案し、何度も折り返し電話をかける手間を減らします。

さらに、院内スタッフ向けのチャットボットも導入します。看護師や職員が就業規則や福利厚生、休暇規定といった社内情報をすばやく検索できるようにし、書類探しに追われる時間を削って患者ケアに集中できるようにします。

40以上のユースケースを開発中

マーシーはアーカンソー州やミズーリ州など複数州で40以上の病院と900か所の診療拠点を展開し、4万5000人以上の職員を抱えています。

同院幹部によると、現在マイクロソフトとともに40以上のAI活用例を検討しており、最近も合同ハッカソンを開催したばかりです。来年半ばまでに複数の新しいAI機能を順次導入する計画です。

また、Azure上のデータ基盤を活用したスマートダッシュボードにより、退院時期を左右する要因を可視化し、不要な入院日数の削減にも取り組みます。両社は2024年にシカゴのマイクロソフトテクノロジーセンターでこれらの成果を公開展示する予定です。

なぜ重要か

医療分野におけるAI活用で最大の懸念は、誤診や誤情報によるリスクです。そうした中で、マイクロソフトとマーシーのアプローチは極めて現実的で賢明だと私たちは考えます。

病気の診断や投薬の判断といった危険な領域には踏み込まず、検査結果のわかりやすい解説や電話予約、社内規定の検索といった、臨床リスクの低い事務作業から着手しています。これらは医療従事者の時間を奪い、患者をいらだたせてきた代表的なボトルネックです。

医療現場では看護師の燃え尽き症候群が深刻な問題になっています。書類確認や問い合わせ対応にかかる時間を少しでも減らせれば、医療の質そのものが底上げされます。規制が厳しく失敗が許されない業界において、生成AIをどう安全に現場へ滑り込ませるかを示す好例と言えます。

情報源 (1)

  1. [1]
    news.microsoft.com(新しいタブで開きます)原文news.microsoft.com

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