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業界動向

米MS、ペンタゴンの排除後もAnthropic製モデルの提供を継続 国防総省以外が対象

公開 拡散指数 45

Microsoft は米国防総省が Anthropic をサプライチェーンリスクに指定した後も、M365 や GitHub Copilot で Claude の提供を継続すると発表した。法務チームの判断により、制限は国防総省のみに適用され、一般企業向けや非防衛プロジェクトには影響しないとしている。

米MS、ペンタゴンの排除後もAnthropic製モデルの提供を継続 国防総省以外が対象
画像:cnbc.com

米国防総省がAIスタートアップのAnthropic社を「サプライチェーン上の安全保障リスク」に指定したことを受け、防衛関連企業の一部が利用停止に動く中、米マイクロソフトが真っ向から異なる方針を打ち出しました。

マイクロソフトは木曜日、自社の法務チームによる検討の結果、国防総省による指定は同省外での利用を妨げるものではないと判断したと発表しました。

これにより、同省を除く一般の顧客向けには、Microsoft 365 Copilot、GitHub Copilot、Azure AI Foundryを通じて今後もClaudeモデルの提供を継続し、非防衛プロジェクトでの協業も続ける意向を明らかにしました。五角大楼の措置後にAnthropic製品の継続提供を公言した大手ハイテク企業は同社が初となります。

対立の背景と対照的なOpenAIの動き

事態の発端は、米国内での大規模監視や完全自律型兵器の利用制限をめぐり、Anthropic社と国防総省の協議が決裂したことにあります。

トランプ大統領が連邦機関に対して同社製品の利用停止を求め、ヘグセス戦争長官が猶予期間は最大6カ月と発言するなど、政府側の態度は硬化しました。一方でCNBCの報道によれば、直近の米軍によるイラン空爆では実際にAnthropicのモデルが使用されていたことが確認されています。

交渉決裂の直後には、競合のOpenAIが機密ワークロード向けに自社モデルを提供する合意を発表し、軍の需要を奪う形となりました。これに対しAnthropic社は、指定の取り消しを求めて司法の場で争う姿勢を示しています。

巨大な投資関係と「モデルの選択肢」

マイクロソフトが提供維持に踏み切った背景には、巨額の契約関係と自社のプラットフォーム戦略があります。

Anthropic社はマイクロソフトのAzureクラウドに300億ドルを支払う約束を交わしており、マイクロソフト側も同社に最大50億ドルの出資を合意しています。OpenAIに対する投資やクラウド契約に比べれば規模は小さいものの、軽視できる金額ではありません。

さらに、多くのエンジニアがソースコード生成においてClaudeを高く評価しており、GitHub Copilotの有力な選択肢となっています。

マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、自社製品内で複数の開発元のモデルを使い分けられる「モデルの選択肢(Model choice!)」を積極的にアピールしてきました。ここで軍の判断に追従して提供を打ち切れば、一般顧客向けのサービス利便性を損なうことになりかねません。

なぜ重要か

一般の開発者や企業ユーザーにとって、今回の発表は大きな安心材料と言えます。防衛省向けの業務でない限り、GitHub CopilotやOffice製品での開発フローを急遽見直す必要はなく、これまで通りClaudeの性能を活用し続けることができます。

業界全体にとっても、マイクロソフトが政府の意向と民間市場の間に明確な境界線を引いた意味は小さくありません。もし大手プラットフォーマーが政府の安全保障指定にそのまま追従していれば、AIの利用が国防政策の思惑によって分断される前例を作るところでした。

私たちは、マイクロソフトの判断は極めて合理的で現実的な一手だったと評価しています。軍向けの提供除外という形で法令遵守の姿勢を示しつつ、300億ドル規模のクラウド案件を守り、自社の「マルチモデル」という強みを維持することに成功しました。

とはいえ、安全保障や倫理ガイドラインをめぐる政府とAIラボの対立が深まる中、プラットフォーム企業が政治とビジネスの狭間で中立を保ち続ける難しさは、今後さらに増していくと考えられます。

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