Anthropic、米国防総省の供給網リスク指定停止申し立てを控訴裁が棄却
米コロンビア特別区連邦控訴裁判所は、Anthropic による国防総省のサプライチェーンリスク指定の一時差し止め請求を棄却した。先月サンフランシスコの裁判所が Claude の禁止措置を一時差し止めたものの、今回の判断により同社は新規契約から除外される可能性がある。

米AIスタートアップのAnthropicが、米国防総省(ペンタゴン)によるサプライチェーンリスク指定をめぐる法廷闘争で痛手を負いました。
ワシントンD.C.の連邦控訴裁判所は現地時間水曜日、ペンタゴンがAnthropicをサプライチェーン上のリスクと認定した措置の執行停止を求めた同社の申し立てを却下しました。
Anthropicは財務面や信用の失墜を避けるため緊急の執行停止を求めていましたが、認められませんでした。
東西の裁判所で判断が分かれる異例の展開
今回の争点は、ペンタゴンが機密環境でのClaudeの利用を制限している点にあります。
先月にはサンフランシスコの連邦地方裁判所が、政府によるClaude利用禁止措置を阻止する仮処分を認めていました。
このサンフランシスコでの判断により、ペンタゴン以外の政府機関はAnthropicとの既存契約を打ち切る必要がなくなっています。
しかし関係者によると、今回のワシントン控訴裁の判断により、ペンタゴンは別個の法令に基づいてAnthropicをサプライチェーンリスクとして扱い続けることが可能になります。
その結果、Anthropicはペンタゴンが今後発注する新規契約から除外される見通しです。
ただし関係者は、控訴裁判所が今回のような緊急救済を認めるケースは極めて稀であるとも指摘しています。
また、リスク指定を受けつつも、ペンタゴンは今後6カ月間にわたりAnthropicの製品を使い続ける見込みです。
Anthropicの広報担当者は、迅速な解決の必要性が裁判所に認識されたことに感謝するとしつつ、サプライチェーン指定の違法性は最終的に認められると確信しているとコメントしました。
なぜ重要か
一般の開発者や企業ユーザーにとって、ClaudeのAPIやサービスが今すぐ使えなくなる心配はありません。ペンタゴン以外の政府機関との契約は維持されており、ペンタゴン自身も今後半年は使い続ける予定です。
しかし、Anthropicにとっては大きな打撃です。国防関連の大型調達から新規で締め出されれば、競合するAI各社にその市場シェアを奪われる隙を与えることになります。
法廷闘争を選んだ同社の姿勢について、私たちは財務面だけでなく一般企業からの信頼を守るために避けられない判断だったと考えます。サプライチェーンリスクという不名誉なレッテルを放置すれば、民間企業の調達部門にも警戒感が広がりかねないからです。
ペンタゴンがClaudeをあと半年使い続ける必要があるという事実は、彼らがいかに先端AIに依存しているかを物語っています。この二重構造の法廷闘争がどう決着するかは、今後のAI企業と国家安全保障機関との距離感を占う重要な試金石となるはずです。
情報源 (1)
- axios.com(新しいタブで開きます)原文axios.com