マイクロソフト、AutoGenとSemantic Kernelを統合したAgent Frameworkを公開
マイクロソフトは「Microsoft Agent Framework」のパブリックプレビューを公開しました。研究プロジェクトだったAutoGenとエンタープライズ向けのSemantic Kernelを統合し、MCPやOpenAPIに対応。散らばっていたマルチエージェント開発環境を一つにまとめ、本番運用のハードルを下げます。

Microsoft Agent Frameworkは、マルチエージェントシステムのオーケストレーションを簡素化するためにマイクロソフトが公開したオープンソースSDKおよびランタイムです。研究プロジェクトとして先行していたAutoGenの知見と、実運用実績のあるSemantic Kernelの基盤を一つに融合し、実用的なフレームワークとして再構築しました。
何ができるのか
マルチエージェントの開発では、ツールの分断が大きな課題となっていました。調査によると、開発者の半数がツール間の摩擦によって週に10時間以上を浪費しています。
本フレームワークを使うことで、開発者はローカル環境で検証を行った後、監視機能やコンプライアンス管理を備えたAzure AI Foundryへそのままデプロイできます。
オープン規格への対応も特徴的です。動的なツール連携を担うMCP(Model Context Protocol)をはじめ、OpenAPIやランタイム間通信規格であるAgent2Agentに対応しています。
さらに、Magentic Oneのようなマルチエージェント協調パターンを活用し、複雑な処理を構造化されたワークフローとして組み立てることが可能です。
利用環境とエコシステム
フレームワーク本体はパブリックプレビューとしてオープンソースで提供されており、コードへの貢献やフィードバックが可能です。
クラウド側では、Foundry Agent Serviceにおいてマルチエージェントワークフローのプライベートプレビューが始まりました。状態保持やエラー時の自動リトライを備え、VS Code拡張機能やWeb画面上で視覚的に編集・デバッグできます。
モニタリング面では、シスコのインキュベーション部門Outshiftと共同でOpenTelemetryにエージェント向けの標準トレース仕様を寄贈しました。自社フレームワークだけでなく、LangChainやLangGraph、OpenAI Agents SDKで構築されたエージェントのログも一元監視できます。
併せてリアルタイム音声対話を実現するVoice Live APIが一般提供(GA)となり、KPMGやコメルツ銀行、Elasticといった企業がすでに監査や顧客対応での導入テストを進めています。
なぜ重要か
マルチエージェント開発はこれまで、実験的なライブラリと本番運用のギャップが非常に大きい領域でした。AutoGenの柔軟性とSemantic Kernelの堅牢性をまとめ、さらにMCPなどのオープン規格に寄り添った点は非常に実践的です。
分散したツールチェーンの統合や、企業内での監査可能なエージェント基盤を求めているエンジニアなら、今すぐ試す価値があります。ただし、状態保持を含む高度なワークフローエンジンはまだプライベートプレビュー段階であるため、完全なクラウド運用の本格稼働には少し様子見が必要です。
情報源 (1)
- azure.microsoft.com(新しいタブで開きます)原文azure.microsoft.com