Meta Ray-Ban Displayが進化:建物基準のナビや音声駆動のホログラム通話に対応
MetaはConnect 2026にてスマートグラス「Meta Ray-Ban Display」の大型アップデートを発表した。道路名ではなく実世界の建物などを目印に案内する徒歩ナビやサイクリング経路に対応。さらに音声のみから表情を推測してリアルなデジタルアバターを生成し、WhatsAppで通話できる「Hologram」機能などを追加した。英仏独など5市場への展開も開始する。

スマートグラスでビデオ通話をしようとすると、相手には自分の視界しか見えず、顔を見せられないという問題がありました。Metaはその課題に対し、AIで生成したアバターを相手に見せるという力技の解決策を打ち出しました。
年次イベント「Connect 2026」にて、Metaはディスプレイ搭載型スマートグラス「Meta Ray-Ban Display」の大型アップデートを発表しました。音声駆動型のアバター機能や、現実の風景を目印にする新しいナビゲーション機能が追加されます。
声で表情を推測するアバターと、人間らしい道案内
最大の注目機能は「Hologram」です。Meta AIアプリで自分の顔をスキャンしておくと、実写のようにリアルなデジタルアバターが生成されます。
グラスをかけたままWhatsAppでビデオ通話を行うと、相手の画面にはこのアバターが表示されます。カメラが装着者の顔を映しているわけではなく、アバターの表情や動きはすべて音声によって制御されます。話している内容や声のトーンからAIが表情を推測して動かす仕組みです。料理中など両手がふさがっている場面を想定しており、今秋後半に米国のWhatsAppユーザー向けに早期アクセスが開始されます。
ナビゲーション機能も大幅に進化します。従来の「3番街を左折」といった機械的な指示ではなく、カメラが捉えた実際の景色を認識し、「あの黄色い家の前を左折」というように人間が教えるような案内をしてくれます。また、今月下旬には米国とカナダで自転車ルート案内と公共交通機関のリアルタイム発車案内が追加されます。
ドルビーアトモス録画と海外展開の拡大
ハードウェア面では、コンシューマー機器として初めてドルビーアトモス(Dolby Atmos)による動画の空間オーディオ録画・再生に対応しました。臨場感のあるサラウンドサウンドをそのまま記録できます。
ディスプレイ上にはスマホの通知がミラーリング表示されるようになり、予定の確認や会議への参加ができるカレンダー機能、Threadsのタイムライン閲覧機能も追加されます。
あわせて販売地域の拡大も発表されました。英国、カナダ、フランス、イタリア、ドイツの5カ国へ展開され、カナダと英国では即日販売がスタートしました。フランス、イタリア、ドイツでは予約受付が始まり、10月13日に店舗およびオンラインで発売されます。
なぜ重要か
軽量なメガネフレームに自撮り用カメラや視線追跡センサーを詰め込むのは、バッテリーや重量の観点から非常に困難です。Metaが音声から表情を推測してアバターを動かすアプローチを選んだのは、ハードウェアの制約をソフトウェアで回避する巧みな設計だと考えられます。
また、現実のランドマークを認識して「黄色い家を左折」と案内する機能は、スマートグラスの強みである一人称視点のカメラを最も自然に生かした実用例です。これならスマートフォンの画面を何度も見直す必要がなくなります。
一方で懸念もあります。声のトーンだけで表情を推測するため、怒っているのにアバターが笑っていたり、不自然な無表情になったりする不気味の谷現象が起きるリスクがあります。相手にとっても「本物ではないアバター」と話すことに心理的な抵抗感が残るかもしれません。それでも、日常的に使えるARデバイスの実用性をここまで急速に引き上げている点は、他社の一歩先を行っていると言えます。
情報源 (1)
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