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業界動向

Meta、AIエージェントのManusを約20億ドルで買収へ

公開 拡散指数 61

Metaがシンガポール拠点のAIスタートアップManusを約20億ドルで買収すると報じられた。Manusはホワイトカラー業務を自動化するAIエージェントを手がけ、わずか8カ月でARR1億ドルを達成。Metaは同社を独立運営させつつFacebookやInstagram、WhatsAppにエージェント機能を組み込む計画だ。

Meta、AIエージェントのManusを約20億ドルで買収へ
画像:techcrunch.com

Metaがシンガポール拠点のAIスタートアップ「Manus」を約20億ドル(約3100億円)で買収することが明らかになりました。ウォール・ストリート・ジャーナルなどが報じ、Metaも12月29日に公式発表を出しました。

生成AIバブルの中で実質的な収益を上げている企業が買収される、数少ない大型案件となります。

8カ月でARR1億ドルを突破した実行型エージェント

Manusは今春、自律型AIエージェントのデモ動画で一躍シリコンバレーの注目を集めました。質問にテキストで答えるだけでなく、求職者の書類選考、市場調査、コード作成、株式ポートフォリオ分析、旅行プラン作成といった一連の知的作業をエンドツーエンドで代行します。当時、同社はOpenAIの「Deep Research」を上回る性能を持つと主張していました。

ビジネスの立ち上がりも異例の速さでした。12月中旬には有料サブスクリプションなどにより年間経常収益(ARR)が1億ドルを突破したと発表。Metaによると、これまでに消費されたトークン数は147兆を超え、ユーザーのタスク実行のために立ち上げられた仮想コンピューターは8000万台以上にのぼります。

投資マネーも殺到していました。4月には米ベンチマークが主導する7500万ドルのラウンドを5億ドルの評価額で調達し、パートナーのチェタン・プッタガンタ氏が取締役に就任。それ以前にはテンセント、ZhenFund、HSG(旧セコイア・チャイナ)なども出資していました。Metaはこの勢いに乗り、次回ラウンドで想定されていた20億ドルの評価額をそのまま支払って買収に至ったとされています。

中国発の出自と厳格な切り離し工作

MetaはManusのサービスを独立して継続・販売する方針で、さらにそのエージェント機能をFacebook、Instagram、WhatsAppに組み込み、既存の「Meta AI」と連携させる計画です。

しかし、最大の懸念は地政学的リスクにあります。Manusの親会社であるButterfly Effectは2022年に北京で設立され、今年半ばにシンガポールへと拠点を移した経緯があります。5月には米上院情報委員会の重鎮であるジョン・コーニン議員が、ベンチマークによる同社への投資を巡って米国の資本流出リスクを公に批判していました。

米規制当局の警戒を避けるため、Metaは徹底した対策を取る方針です。Metaの広報担当者は日経アジアに対し、今回の取引完了後に中国系投資家の持分はすべて解消され、Manusは中国でのサービスおよび事業を完全に停止すると説明しています。

なぜ重要か

ユーザーやビジネス層にとって、MetaのAIが単なる「おしゃべり相手」から「代わりに作業を終わらせてくれる手足」へ進化することを意味します。市場調査やデータ分析などの定常業務を抱える人にとって、仮想環境でツールを使い倒すManusの仕組みは即効性のある作業効率化ツールです。WhatsAppやInstagramの膨大なビジネスアカウントにこの機能が直結すれば、中小事業者でも専門知識なしにバックオフィス業務を自動化できるようになるでしょう。

Metaの経営戦略としても、私たちは非常に計算された動きだと見ています。データセンター整備などに年600億ドル規模の巨額投資を続ける同社に対し、市場は収益化の道筋を厳しく問うようになっていました。創業から1年足らずで1億ドルのARRを叩き出した実績を買うことで、巨額投資の正当性を示すと同時に、エージェント領域で先行するOpenAIやMicrosoftに対抗する強力な武器を手に入れた形です。

ただし、米中対立の火種は残ります。中国資本を完全に排除し国内市場から撤退する誓約を交わしたとはいえ、ワシントンの対中強硬派がどこまで納得するかは不透明です。

情報源 (3)

  1. [1]
    bloomberg.com(新しいタブで開きます)原文bloomberg.com
  2. [2]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com
  3. [3]

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