MetaのOrion開発責任者がOpenAIに移籍、ロボットと機器開発を統括
MetaのARグラス「Orion」のハードウェア責任者を務めたCaitlin Kalinowski氏がOpenAIに移籍し、ロボットおよび消費者向けハードウェア部門のトップに就任した。AppleでMacBook設計の経験も持つ同氏を迎え、OpenAIは約4年ぶりにロボット分野への本格展開を進める。

Metaの拡張現実(AR)グラス開発を率いてきたハードウェア責任者が、OpenAIに移籍することが明らかになりました。
MetaでARグラス「Orion」の開発を統括していたケイトリン・カリノウスキー(Caitlin Kalinowski)氏は月曜日、OpenAIに参画し、ロボティクスおよびコンシューマーハードウェア部門を率いるとLinkedInで発表しました。OpenAIもTechCrunchの取材に対して事実関係を認めています。
カリノウスキー氏は、Metaが先日のConnectカンファレンスで披露して大きな話題を呼んだARプロトタイプ「Orion」の開発責任者を務めていた人物です。それ以前も約9年間にわたってMetaのVRヘッドセット部門を指揮し、さらにその前はAppleでMacBookのハードウェア設計に携わっていました。
物理世界へのAI展開を加速
カリノウスキー氏によると、OpenAIでの当初のミッションはロボティクス分野の研究およびパートナーシップに注力し、AIを物理世界に持ち込むことだといいます。
業界関係者の間で注目されているのが、Apple時代の同僚であるジョニー・アイブ(Jony Ive)氏との協業の可能性です。アイブ氏は今年9月、自身が率いるLoveFromとOpenAIが共同で新型AIハードウェアを開発中であることを認め、iPhoneよりも社会的干渉の少ないコンピューティング体験を目指すと語っていました。
OpenAI自体も最近、マルチモーダルAIを自社製ハードウェアに組み込むパートナーを支援するため、ロボティクスチームの研究エンジニアの採用を開始しています。
同社は2018年に自律的に物体をつかむロボットハンドを開発したものの、約4年前にハードウェア研究組織を解散し、ソフトウェア開発にリソースを集中させていました。今回の動きは、本格的なハードウェア・ロボティクス分野への回帰を意味します。
なぜ重要か
AIモデルが画面の中だけで完結する時代は終わりに近づいており、物理的な接触や環境認識を伴うインターフェースの確保が各社の最重要課題になりつつあります。
一般ユーザーにとって、OpenAIブランドの端末がすぐに手に入るわけではありません。しかし、アイブ氏とサム・アルトマン氏が進めるハードウェア構想が、単なるコンセプト提案から量産を見据えた本格的な開発フェーズに入ったことは確実といえます。
コンシューマー向けAI専用端末は、先行したスタートアップの製品が使い勝手や熱設計、ハードウェアの未熟さで苦戦してきました。MacBookやMeta Quest、Orionを世に送り出してきた百戦錬磨のエンジニアを迎える判断は、非常に堅実で合理的だと考えられます。
また、AppleやMetaにとっては、自社の基盤を支えるパートナーであるはずのOpenAIが、将来的にウェアラブルやロボティクス領域で直接競合するハードウェア勢力へと変貌しつつあることを示す警戒すべき動きでもあります。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
トピックを追うOpenAIのロボティクス・ハードウェア展開
- OpenAI、初のロボット工学ハードウェア部門を発足し上級職の採用を開始
- MetaのOrion開発責任者がOpenAIに移籍、ロボットと機器開発を統括この記事