イタリアがChatGPTの遮断を解除、プライバシー対策と年齢確認の導入受け
イタリアのデータ保護当局はChatGPTの利用制限を解除したと発表した。OpenAIが会話データの学習利用を拒否できる設定や、13歳未満を制限する年齢確認を導入したことを受けた措置だ。欧米で最初に下された全面禁止令は、約1カ月の対応を経て撤回された。

イタリアの規制当局からアクセス遮断を受けていたChatGPTが、約1カ月ぶりに利用可能となりました。
イタリアのデータ保護当局Garanteは4月28日、OpenAI側がプライバシーやデータ取り扱いに関する改善要請に応じたことを受け、ChatGPTに対する利用停止措置を解除したと発表しました。3月下旬に西側諸国で初めて同サービスへの強硬な規制措置に踏み切って以来、事態は一定の決着を見た形です。
停止から1カ月、OpenAIが導入した対策
イタリア当局が利用禁止に踏み切った背景には、OpenAIがAIモデルの学習目的で利用者の個人データを収集・保存する法的な根拠を持っていなかったことや、不正確な情報の生成に対する適切な処理の不足、13歳未満の子供に対する保護策の欠如といった懸念がありました。
再開に向けてOpenAIが導入したのは、欧州ユーザーの権利拡大と透明性の向上です。まず、ユーザーが自身の会話データをモデルの学習に使わせないようにするオプトアウト機能が追加されました。また、サイト上でのデータ処理方法に関する説明も大幅に拡充されています。
さらに、イタリア国内からのアクセスに対しては13歳未満の利用を制限する年齢確認が導入されました。加えて、ChatGPTが人物や場所、事実に関して誤った情報を出力する可能性があることを明記する注意書きも表示されるようになっています。これらの機能はイタリアだけでなく、ドイツなど他の欧州地域からのアクセスでも利用可能になっています。
OpenAIの広報担当者は、イタリアのユーザーを再び迎えられることを歓迎するとともに、個人データの保護に引き続き取り組む姿勢を強調しました。
なぜ重要か
一般ユーザーにとって最大のメリットは、日常のチャット内容が勝手にAIの学習データとして吸収されるのを防ぐスイッチが手に入った点にあります。プライバシーを気にして利用を控えていた層にとっては、試してみるハードルが下がったと言えます。
今回のOpenAIの対応は、規制当局と法廷闘争を演じるのではなく、速やかに機能改修を行って妥協点を探るという点で極めて現実的で賢明な判断だったと考えられます。欧州の厳格なデータ保護規則のもとでイタリアの禁止措置が他国へ波及した場合、欧州市場全体を失うリスクがあったためです。
一方で、現在の年齢確認がどこまで実効性を持つのかという課題や、すでに過去の学習で取り込まれてしまった個人データをどう扱うのかといった根本的な懸念は残されたままに見えます。
とはいえ、今回の事例は生成AI企業が欧州などの主要市場で事業を展開する上で、学習データのオプトアウトや透明性の確保が今や最低限の入場券となったことを明確に示しています。
情報源 (1)
- dw.com(新しいタブで開きます)原文dw.com
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