本文へスキップ
IFAI

業界動向

米ハリウッド大手3社が中国MiniMaxを提訴:Hailuo AIによる著作権侵害を主張

公開 拡散指数 72

Disney、Universal、Warner Bros. Discoveryが、中国のAI企業MiniMaxを提訴しました。動画生成サービス「Hailuo AI」が無許可でダース・ベイダーやミニオンなどの著作権キャラクターを生成していると主張し、1作品あたり最大15万ドルの損害賠償を求めています。

ハリウッドの大手スタジオ連合が、著作権をめぐる法廷闘争の矛先を中国の最先端AI企業へと向けました。

ウォルト・ディズニー、ユニバーサル・ピクチャーズ、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの3社は、中国のAIスタートアップMiniMaxを相手取り、著作権侵害の疑いで米カリフォルニア州の連邦地裁に提訴しました。同社の動画・画像生成サービス「Hailuo AI(海螺AI)」が無許諾で著作権キャラクターを生成していると主張しています。

MiniMaxは、中国AI業界で「六小虎(6頭の虎)」と称される有望スタートアップの一角です。Googleやファーウェイ出身の人材を擁し、評価額40億ドル超でのIPOを視野に入れていると報じられています。公式サイトによれば、同社製品は世界200以上の国と地域で1億5700万人以上のユーザーに利用されています。

「ポケットの中のハリウッド」が本家を激怒させた理由

訴状によると、MiniMaxはHailuo AIを「ポケットの中のハリウッドスタジオ」と銘打って宣伝していました。さらに、広告素材において映画『ジョーカー』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のグルートなどを無断使用していたとされています。

また、ユーザーがプロンプトを入力するだけで、『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーやヨーダ、『怪盗グルー』のミニオン、ワンダーウーマン、スーパーマンといった有名キャラクターの高品質な画像や動画が生成され、そこにはHailuoの透かしまで入っていたと指摘されています。

スタジオ側は、このような生成が可能なのは作品を無断で学習データとして取り込んだからだと主張。これを「海賊版ビジネスモデル」と厳しく非難し、侵害作品1点につき最大15万ドルの損害賠償や不当利得の返還、サービスの差し止めを求めています。訴状では、技術が進歩すれば無許可で映画1本分の長編動画が作られるようになるのも「時間の問題」だと強い危機感を示しています。

なぜ重要か

ハリウッドのAI著作権包囲網が、米国内の枠を超えてグローバルに展開する中国企業へ本格的に拡大したことを示す象徴的な出来事です。

ディズニーらは今年、画像生成AIのMidjourneyも相次いで提訴していますが、今回の訴訟は「拠点がどこにあろうと権利侵害は見逃さない」という全米映画協会(MPA)の強い意志を反映しています。

動画生成のクオリティの高さから、クリエイターや広告関係者の間でHailuo AIへの注目度は急速に高まっていました。しかし、著名IPに似せた出力を商用利用したりSNSで拡散したりする行為は、今後極めて高い法的リスクを伴うことになります。サービス側もプロンプト規制やフィルタリングの強化を迫られるはずです。

海外市場での有料会員獲得と大型の資金調達を狙っていたMiniMaxにとって、米エンタメ界の巨頭3社による共同提訴は極めて手痛い打撃と言えます。生成AIの海外展開において、IP保護のコンプライアンスを軽視したままスケールすることはもはや不可能になりつつあります。

情報源 (4)

  1. [1]
    reuters.com(新しいタブで開きます)原文reuters.com
  2. [2]
  3. [3]
  4. [4]

毎日のAIピックアップ