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業界動向

AIチップ新興のGroq、6.4億ドルを調達 ルカン氏が技術顧問に就任

公開 拡散指数 42

米AIチップスタートアップのGroqはBlackrock主導のラウンドで6億4000万ドルを調達したと発表した。評価額は28億ドルに達する。推論特化型プロセッサ「LPU」の供給体制を大幅に拡大する計画で、MetaのチーフAIサイエンティストであるヤン・ルカン氏が技術顧問に就任した。

Groqの推論デモをブラウザで試したことがある人なら、テキストが一瞬で画面を埋め尽くす速度に驚いたはずです。大規模言語モデルの出力待ちが当たり前だった世界で、このスタートアップは圧倒的な速さを武器に存在感を高めてきました。

GroqはBlackrockが主導する新たな資金調達ラウンドで6億4000万ドルを調達したと発表しました。Neuberger Berman、Type One Ventures、Cisco、KDDI、Samsung Catalyst Fundなども参加しています。これにより同社の累計調達額は10億ドルを超え、評価額は28億ドルに達しました。2021年4月時点の10億ドルから2倍以上に拡大し、当初報じられていた3億ドルの調達目標を大きく上回る結果となりました。

ヤン・ルカン氏が参画、元インテル幹部がCOOに

今回の発表で注目を集めたのは資金だけではありません。MetaのチーフAIサイエンティストであるYann LeCun氏が技術顧問に就任しました。Meta自身も内製AIチップの開発を進めているだけに、この人事は業界に驚きを与えています。さらに、インテルのファウンドリ事業部門トップやHPのCIOを務めたStuart Pann氏が最高執行責任者COOとして参画しました。

Groqの創業者は、Google在籍時にTPUの開発を主導したJonathan Ross氏です。同社が開発するLPU(言語処理ユニット)は、ChatGPTやGPT-4oのようなアーキテクチャを持つ生成AIモデルを、従来のプロセッサと比べて最大10倍の速度、10分の1の消費電力で動かせるとアピールしています。

開発者向け基盤のGroqCloudでは、MetaのLlama 3.1やGoogleのGemma、MistralのMixtralなどが利用可能で、登録開発者数は7月時点で35万6000人を突破しました。Stuart Pann氏によると、Fortune 100企業の75%以上に所属する開発者がすでに利用しているとされています。

クラウド提供から大規模インフラ配備へ

GroqはWeb APIの提供にとどまらず、企業や政府機関のデータセンターへのハードウェア導入を急いでいます。3月にDefinitive Intelligenceを買収して立ち上げたGroq Systemsを通じて、主権国家や機密機関向けのオンプレミス導入を進めています。

すでに政府系IT商社のCarahsoftとの提携や、ノルウェーのEarth Wind & Powerのデータセンターへの数万基規模のLPU導入計画、サウジアラビアのAramco Digitalとの協業などを発表済みです。また、これまでの13nm世代から脱却し、Samsungの4nmプロセスを採用した次世代チップの製造を進めており、2025年第1四半期末までに10万8000基以上のLPU配備を目指しています。

なぜ重要か

開発者やプロダクトチームにとって、Groqの推論速度は音声会話エージェントやリアルタイム翻訳など、レイテンシが成否を分ける用途において極めて強力な選択肢になります。Llama 3.1などのオープンモデルを商用レベルの即答性で動かせる価値は大きく、今すぐ試す価値があります。一方で、LPU特有のオンチップメモリ構成は超長文コンテキストの処理でコストや効率の制約を受けやすいという懸念も残ります。

業界全体で見れば、生成AIの主戦場がモデルの事前学習から推論インフラへとシフトしていることを象徴しています。Nvidiaが市場の7割から9割以上を握る中、クラウド大手の内製チップやEtchedなどの新興勢力が一斉に推論市場へ攻め込んでいます。

私たちは、オープンモデルの超高速デモで開発者コミュニティを魅了し、その勢いを武器に主権データセンターや政府案件を獲得しにいくGroqの戦略は非常に巧みだと考えます。しかし、10万基規模のクラスタを安定運用しながら、毎年新アーキテクチャを投入してくるNvidiaに対抗し続けるのは極めて険しい道のりになりそうです。

情報源 (1)

  1. [1]
    techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com

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