xAIが60億ドルを調達:評価額は450億ドルに倍増、計算基盤を倍増へ
イーロン・マスク率いるxAIがシリーズCで60億ドルを調達し、評価額は前回の約2倍となる450億ドルに達しました。NvidiaやAMD、セコイアなど既存株主が参加。調達資金は10万基のGPUを備えるデータセンターの拡張や次世代Grokの開発に充てられます。

イーロン・マスクが率いるAIスタートアップが、またしても巨額の資金を懐に収めました。
xAIはシリーズCラウンドで60億ドルを調達したことを正式に発表しました。サウジアラビアのキングダム・ホールディングが提出した書類によると、同社は約4億ドルを出資し、xAIの評価額は前回の約2倍となる450億ドルに達したとされています。今年5月に調達した60億ドルと合わせると、創業からわずか1年半余りで累計調達額は120億ドルに達しました。
今回のラウンドは既存投資家を中心としたクローズドな構成となっています。フィナンシャル・タイムズによると、参加できたのは前回の出資者に限られ、マスク氏によるTwitter買収を支援した投資家にも最大25パーセントの株式枠が割り当てられました。セコイア・キャピタルやアンドリーセン・ホロウィッツなどの名門VCに加え、NvidiaやAMDといった半導体大手も名を連ねています。
10万基のGPUをさらに倍増させる計画
調達した資金の使い道は極めて明確です。インフラのさらなる巨大化と次世代モデルの開発です。
xAIは今夏、米メンフィスにわずか122日間で10万基のNvidia製GPUを収容したデータセンターを立ち上げました。地元の送電網が追いつかず、一時はディーゼル発電機を併用して稼働させたほどの急ピッチぶりでした。同社は来年、このGPUの数をさらに倍増させて20万基規模に引き上げる計画を明らかにしています。
この巨大基盤の上で現在トレーニングされているのが、マスク氏が言う「これまでで最も強力なモデル」です。xAIはすでにAPIを公開し、iOS向けの単体Grokアプリのテスト配信も始めました。さらに、SpaceXのStarlinkでカスタマーサポートを担ったり、テスラとの技術提携を模索したりと、マスク傘下の企業群と連携を進めています。
こうした取り組みにより、xAIの年間売上高は約1億ドル規模に達したと報じられています。もっとも、今年10億ドル規模を見込むAnthropicや40億ドルを目指すOpenAIと比べれば、まだ大きな開きがあります。テスラの株主からはリソースの流用を巡って訴訟を起こされており、メンフィス現地でも電力消費や大気汚染への懸念が残るなど、課題も山積みです。
なぜ重要か
ユーザーや開発者にとって、xAIがこれだけの資金を確保したことは、OpenAIやGoogleに対抗する有力な選択肢が生き残り続けることを意味します。GrokはChatGPTよりも規制が緩く、率直な回答を好むユーザーに支持されてきました。単体アプリやAPIが整備されることで、日常的なツールや開発の現場で本格的に試す価値が高まっています。
業界全体から見れば、フロンティアAIモデルの開発競争が「数十億ドル単位の現金を調達し続けられる巨大企業だけの競技」になったことを改めて突きつけています。数万から数十万基の最新GPUを確保できなければ、同じ土俵に立つことすら許されません。
マスク氏の手法は、Xのリアルタイムデータや他事業の需要を吸い上げる点で非常に合理的です。しかし、評価額450億ドルに対して年間売上1億ドルというギャップは大きく、莫大な計算コストを支え続けるには、開発中の次世代モデルが性能面で競合を明確に圧倒する必要があります。
情報源 (1)
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)原文techcrunch.com
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