本文へスキップ
IFAI

業界動向

Inflection AI、13億ドルを調達 マイクロソフトやNVIDIA主導で評価額40億ドルに

公開 拡散指数 64

AIスタートアップのInflection AIは、MicrosoftやNVIDIA、ビル・ゲイツ氏らから13億ドルの資金を調達したと発表した。評価額は40億ドルに達する。調達資金でCoreWeaveやNVIDIAと組み、2万2000基のH100 GPUからなるAIクラスタを構築して対話AI「Pi」を強化する。

Inflection AI、13億ドルを調達 マイクロソフトやNVIDIA主導で評価額40億ドルに
画像:siliconangle.com

生成AIブームの主戦場は、いまや天文学的な計算資源の確保に移っています。

対話型AIスタートアップのInflection AIは6月29日、13億ドルの新たな資金調達を実施したと発表しました。リード投資家にはマイクロソフト、リード・ホフマン氏、ビル・ゲイツ氏、エリック・シュミット氏、そしてエヌビディアが名を連ねています。

TechCrunchによると、同社の企業評価額は40億ドルに達し、これまでの累計調達額は15億2500万ドルにのぼります。

2万2000基のH100で挑む「対話型パーソナルAI」

Inflection AIは2022年、DeepMindの共同創業者であるムスタファ・スレイマン氏、研究者のカレン・シモニャン氏、そしてLinkedIn創業者のリード・ホフマン氏によって設立されました。

同社が目指すのは業務効率化ツールではなく、利用者に寄り添うパーソナルAIです。5月に公開されたチャットボット「Pi」は、共感力を持った対話や助言を得意とし、ウェブブラウザやスマートフォン、WhatsApp、Instagramなどで無料提供されています。

この体験を支えるため、同社はクラウド事業者のCoreWeaveおよびエヌビディアと連携し、2万2000基のNVIDIA H100 Tensor コア GPUからなる世界最大級のAIクラスタを構築中です。

16ビット演算で22 exaFLOPSを誇り、仮にスーパーコンピュータの性能ランキングTOP500に申請すれば世界第2位に相当する規模だと同社は説明しています。

明暗が分かれ始めた生成AIスタートアップ

同日には動画生成AIを手がけるRunwayも、シリーズCの拡張ラウンドで1億4100万ドルを調達したと発表しました。Googleやエヌビディア、セールスフォース・ベンチャーズが出資し、Bloombergによると評価額は15億ドルに達しました。

Runwayは3月にテキストから動画を直接生成できる「Gen-2」を発表しており、クリエイティブ分野で強い支持を集めています。

一方で、すべての有力スタートアップが順風満帆なわけではありません。画像生成モデルStable Diffusionで一躍有名になったStability AIは、資金繰りの懸念から転換社債で2500万ドルを調達したとBloombergが報じました。

報道によると40億ドル評価での調達交渉がまとまらなかったとされています。同社広報およびCEOのエマード・モスターク氏は調達難を否定していますが、先行企業の間でも明暗が浮き彫りになりつつあります。

なぜ重要か

一般ユーザーにとって、Piは現在完全に無料で利用でき、親しみやすい相談相手や思考の壁打ち役として今すぐ試す価値があります。無機質な検索アシスタントとは一味違う対話が体験できます。

業界の視点では、エヌビディアの立ち回りの巧手さが際立ちます。InflectionやRunwayに巨額出資を行いながら、自社製GPUの巨大な需要先を確実に囲い込み、ハードウェアの独占的ポジションをさらに強固にしています。

マイクロソフトにとっても、OpenAIだけに依存せず有力な競合を自陣営に抱え込むヘッジ戦略として機能しています。

私たちの見立てでは、Inflectionのアプローチは極めて野心的であると同時に大きなリスクを孕んでいます。日常の話し相手というコンシューマー向けサービスは収益化のハードルが非常に高く、明確な課金モデルがないまま2万2000基のGPUを維持し続ければ、調達した資金もあっという間に計算コストへ消えていくことになります。

情報源 (3)

  1. [1]
    inflection.ai(新しいタブで開きます)原文inflection.ai
  2. [2]
  3. [3]

毎日のAIピックアップ