Google、Chromeに「Gemini 3」を統合 操作を代行する「auto browse」も提供
Googleはデスクトップ版Chromeに「Gemini 3」を活用した新機能を追加したと発表した。新設されたサイドパネルでGoogleアプリの連携や画像編集ができるほか、複数ステップの検索やフォーム入力を自律代行する「auto browse」を展開する。まずは米国のAI Pro/Ultra登録者向けに提供される。

過去1年間、OpenAIのAtlasやPerplexityのCometなど、数多くの新興AIブラウザが登場しましたが、長年使い慣れたChromeから乗り換えたユーザーはごく一部でした。
Googleはその隙を見逃しませんでした。1月28日、同社は最新のGemini 3モデルを組み込んだChromeの大規模アップデートを発表し、AIがユーザーに代わってWebを巡回する自律型ブラウジング機能を投入しました。
常駐サイドパネルと進化したタブ連携
これまでChrome内のGeminiはフローティングウィンドウ形式でしたが、今回のアップデートで常駐型のサイドパネルへと刷新されました。WindowsとmacOSに加え、新たにChromebook Plusでも利用可能です。
実用的な機能として注目されるのが、複数タブの文脈認識です。1つのWebページから派生して開いた複数のタブを1つのグループとして理解するため、別々のタブに開いた商品の価格比較やレビューの要約を、サイドパネルから一括で指示できます。
また、画像編集ツールのNano Bananaも統合されました。閲覧中の画像を一度保存して別タブにアップロードし直す手間なく、サイドパネルへの指示だけで画像を直接アレンジしたり、データを図解化したりできます。
GmailやGoogleカレンダー、フライト情報との連携も設定から有効化でき、数か月以内には個人の行動履歴や好みを反映するパーソナルインテリジェンス機能も追加される予定です。
自律してWebを巡回するAuto Browse
今回の目玉は、ユーザーに代わって複雑なタスクをこなすauto browse機能です。まずは米国のAI ProおよびUltra加入者向けに提供されます。
従来の自動入力とは異なり、AIが自律的にWebサイトを巡回して操作します。テスト運用では、確定申告用書類の収集、見積もりの取得、経費精算、運転免許証の更新手続きなどに利用された実績があります。
たとえば写真を見せて特定のテーマに合う商品を頼むと、AIが似たアイテムを検索し、予算内でクーポンを適用したうえでカートに追加してくれます。パスワードマネージャーと連携した自動ログインにも対応しますが、認証情報そのものはAIモデルに渡らない設計です。
暴走を防ぐ対策も施されており、商品の購入完了やSNSへの投稿といった重大な操作を行う直前には、必ず一時停止してユーザーの明示的な承認を求めます。あわせてShopifyやTargetなどと共同で、エージェントによる商取引の新規格Universal Commerce Protocolも立ち上げました。
なぜ重要か
一般ユーザーにとって、別アプリや新規タブを行き来する手間が大幅に減る実用的な進化です。米国在住で有料プランを契約しているなら、航空券やホテルの日程比較といった面倒な作業を任せてみる価値は十分にあります。ただし、現状のWebエージェントはサイト側の仕様変更で停止することも多く、完全自動化を過信するのは禁物です。
業界全体への影響として、先行していたAI特化型ブラウザへの強力な牽制になります。ユーザーの移行ハードルが高いWebブラウザ市場において、圧倒的シェアを持つChromeが自らエージェント機能を内包したことで、競合スタートアップは大きな差別化を迫られることになります。
Googleのアプローチは、自社エコシステムとパスワードマネージャーの強みを活かしており非常に堅実です。さらにEC大手と組んで商取引のオープン標準を抑えにいく動きも計算されています。一方で、安全性を優先するあまり確認ステップが多くなれば、手動で操作した方が早いと感じられる可能性もあり、自律性と実用性のバランスが今後の課題になりそうです。
情報源 (2)
- blog.google(新しいタブで開きます)原文blog.google
- techcrunch.com(新しいタブで開きます)報道techcrunch.com