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Figmaが大規模刷新、プロンプトからUIを即座に生成する「Figma AI」発表

公開 拡散指数 52

FigmaはUIの大幅刷新とともに、テキスト入力からアプリ画面のモックアップを自動生成する「Figma AI」を発表しました。プレゼン機能「Figma Slides」も新設。AI機能は現在ウェイトリスト制の限定ベータで年内無料ですが、ユーザーデータを用いたモデル学習の初期設定が議論を呼んでいます。

Figmaが大規模刷新、プロンプトからUIを即座に生成する「Figma AI」発表
画像:theverge.com

これまでFigmaを開いたときに待っていたのは何もない真っ白なキャンバスでした。これからは、簡単なテキストを入力するだけで、AIが整ったアプリ画面をまるごと立ち上げてくれます。

年次カンファレンス「Config」にて、Figmaはクローズドベータ以来3度目となる大規模なUI刷新を発表しました。今後10年を見据えた土台作りとして、角丸を取り入れた新しいツールバーや200種類以上の新アイコンを採用し、操作パネルよりも作業キャンバスそのものに視線が集中する構造へと改めました。これに合わせて、生成AI群「Figma AI」と、待望の内蔵プレゼン機能「Figma Slides」も披露されています。

規制当局の介入によりAdobeによる200億ドルの買収計画が破綻し、10億ドルの違約金が支払われてから迎えた今回のConfig。買収の揺れから完全に脱したFigmaは、デザインツールの未来を自力で牽引する姿勢を強く打ち出しました。

プロンプトから即座にプロトタイプを構築

今回の主役は間違いなくFigma AIです。同社最高製品責任者の山下祐樹氏は、AIによって「敷居を下げ、天井を引き上げる」と狙いを語っています。

デモでは、「新しいレストランのアプリ画面を作って」と指示を入力するだけで、わずか数秒後にメニュー一覧やタブバー、Uber Eatsなどの注文ボタンまで組み込まれたモバイルUIが立ち上がりました。

従来の無意味なダミーテキスト(Lorem ipsum)が並ぶのではなく、文脈に沿った実用的なテキストや関連画像まで同時に生成されます。クッキーのレシピ画面を指示した例では、AIが生成したチョコチップクッキーの写真まで自然に配置されていました。

さらに、散らかりがちなレイヤー名の自動一括整理、画像の背景透過、多言語翻訳、意図をくみ取って社内素材を探し出すセマンティック検索など、日常的な手間を省く機能も揃っています。公開資料によると、これらの生成基盤にはOpenAIやJasperといった外部モデルが採用されています。

また、デザイン業界で長年求められていたスライド機能「Figma Slides」も登場しました。これまでデザイナーはFigmaの作業領域を工夫してプレゼン資料を作っていましたが、これからは正式な機能としてスライドを制作できます。

通常のプレゼンソフトと異なり、スライド上のデザインパーツをFigma本来の操作感で微調整できるほか、画面録画に頼らず動くプロトタイプをそのまま埋め込んで操作できます。参加者の投票や意見分布を画面上で集計するインタラクティブ機能も備えています。

年内無料の裏で浮上した「学習データ」の火種

Figma AIは現在ウェイトリスト制の限定ベータとして提供が始まっており、年内は無料で利用可能です。年明けの正式展開時には明確な料金プランが提示される予定です。Figma Slidesもオープンベータ期間中は無料で試すことができます。

一方で、発表直後からユーザーの間で議論を呼んでいるのが、ユーザーデータを自社AIの学習に活用する規約です。

CTOのクリス・ラスムセン氏によれば、現行の生成ツールは外部モデルで動いており顧客のプライベートデータを学習していません。しかし8月15日以降、Figma独自のモデルを育てるため、ユーザーが作成したテキスト、画像、レイヤー名、コメントなどのコンテンツを学習に利用する方針が示されました。

問題視されているのは初期設定の扱いです。大企業向けのOrganizationやEnterpriseプランでは学習がデフォルトでオフ(除外)になっているのに対し、無料のStarterや有料のProfessionalプランではデフォルトでオン(参加)に設定されています。

管理画面から手動でオプトアウトすることは可能で、オフにしてもAI機能自体の利用は制限されません。しかし、有料プランの利用者に対してデフォルトでデータ提供を要求する姿勢は、直前に利用規約の表現で大炎上したAdobeの騒動を思い起こさせ、警戒感を生んでいます。

なぜ重要か

デザイナー以外のプロダクトマネージャーやエンジニアにとって、この進化はアイデアを形にする速度を劇的に引き上げます。頭の中にある企画をプロンプトで投げるだけで、数分後には社内共有できる高精度の動くモックアップが手に入るため、初期の認識合わせにかかるコストが激減します。本職のデザイナーにとっても、レイヤー整理や素材探しなどの単調な作業から解放されるメリットは大きいはずです。

業界全体で見れば、単なるUI描画キャンバスから、プレゼンや企画までを完結させるオールインワンの業務プラットフォームへとFigmaが明確に舵を切ったことを意味します。Adobeによる買収が消滅した今、生成AIをテコにして競合やオフィススイートを巻き込む陣取り合戦へと駒を進めました。

プロダクトの設計思想として、AIを単なるチャットウィンドウに閉じ込めず、直接キャンバス上の編集可能なレイヤーとして具現化させた判断は極めて合理的で優れています。また、長年のユーザーの裏技を公式機能に昇格させたFigma Slidesも高い満足度を生むはずです。

しかし、学習データのオプトアウト方針については疑問が残ります。特に料金を払っているプロフェッショナル層に対して、自ら解除設定をしない限り制作物をAIの糧にするというアプローチは、知的財産を扱う現場への配慮を欠いています。仕事でクライアントの機密データを扱っているユーザーは、8月15日の適用開始までに必ず設定を見直しておくべきだと考えます。

情報源 (2)

  1. [1]
    theverge.com(新しいタブで開きます)原文theverge.com
  2. [2]
    stackdiary.com(新しいタブで開きます)報道stackdiary.com

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