Google、Workspace向け「Duet AI」を一般提供開始:資料作成から会議出席代行まで
Googleは「Duet AI for Google Workspace」の一般提供を開始した。DriveやGmailのデータからスライド資料を自動生成できるほか、Google Meetでのリアルタイム文字起こしや代理出席機能も備える。オフィス作業の負担を大きく減らす試みで、無料トライアルも提供されている。

夕方の5時、上司から明朝8時までに第3四半期の業績プレゼン資料を作ってほしいとメールが届く。通常ならスプレッドシートや損益計算書、営業メールを夜通しひっくり返す羽目になるところです。
Googleはこの作業を夕食前までに終わらせようとしています。8月29日、Googleは「Duet AI for Google Workspace」の一般提供を開始し、無料トライアルの提供を始めました。
Google Workspaceはすでに30億人以上のユーザーと1000万以上の有料顧客を抱えています。数千社の企業と100万人以上のテスターによる検証を経て、いよいよ本格的な実戦投入となりました。
スライド自動作成から「代理出席」まで
Duet AIの最大の強みは、Workspaceツール間の連携にあります。先ほどの急な資料作成でも、「第3四半期の業績まとめを作成して」と入力するだけで、GoogleドライブやGmail内の一致するデータからテキストやグラフ、画像を拾い上げ、一式のスライドを自動で構築してくれます。
Google Meetでも大幅な機能強化が行われました。スタジオ並みの映像、照明、音響補正が追加されたほか、会議室にいる参加者を個別に認識して名前付きの枠で表示する機能や、18言語のリアルタイム翻訳字幕が導入されます。
さらに注目なのが会議負担の軽減です。リアルタイムでメモやToDoを記録して終了後に共有する機能や、遅刻者向けの要約機能が順次提供されます。出席できない会議にメッセージを代行伝達させて要約を持ち帰らせる「代理出席」機能も予告されています。
50万人チャットとGmailの長文返信
Google Chatも刷新され、Duet AIに直接質問して共有ドキュメントの要約を聞き出せるようになりました。正式な予定を組まずに即座に音声で話せる「ハドル」機能が追加され、チャットグループは最大50万人規模まで対応します。
Gmailではスマートリプライが強化され、ワンタップでより長文かつ文脈に合わせた返信文を作成できるようになりました。
企業が最も気にするセキュリティ面について、GoogleはDuet AIとのやり取りは非公開であり、事前の許可なしにモデルのトレーニングデータとして利用されることはないと明言しています。また、TypefaceやJasperといったサードパーティ製AIとの連携も進められています。
なぜ重要か
日常業務に追われるビジネスパーソンにとって、Duet AIの価値は単なる文章作成ではなく、アプリ間を往復してデータを探し回る無駄な時間を削れる点にあります。Gmailやスプレッドシートのデータを引っ張ってスライド化したり、長引く会議のメモ取りから解放されるメリットは非常に具体的です。すでにWorkspaceを導入している組織なら、無料試用で試す価値は十分にあります。
業界全体で見れば、先行するMicrosoft 365 Copilotに対する強力な対抗策となります。オフィスツールは生成AIの収益化において最大の主戦場であり、30億人の基盤を持つGoogleが実用的なワークフローを固めにかかった形です。
筆者としては、単なるチャットボットにとどまらず「会議の代理出席」や「複数アプリの横断処理」という現場の痛点に絞った点は非常に巧みだと考えます。一方で、財務や業績などの機密データをAIに集約させる以上、出力内容のハレーションや誤認リスクの検証は不可欠です。また、誰もがAIに会議を代行させるようになれば、その会議自体が本当に必要だったのかという根本的な問いに直面することになりそうです。
情報源 (1)
- workspace.google.com(新しいタブで開きます)原文workspace.google.com
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