DeepSeekが「V4-Flash」正式版を公開、上位Pro版をAgent性能で圧倒
DeepSeekは「DeepSeek-V4-Flash-0731」をMITライセンスで正式公開した。DSpark投機的デコーディングモジュールを標準搭載し、事後学習の強化によって大型のV4-Proプレビュー版をAgent指標で逆転。vLLMやSGLangによるローカル配備に対応する。

DeepSeek-V4-Flash-0731は、DeepSeekが正式公開したオープンウェイトの軽量モデルです。プレビュー版から置き換わり、エージェント実行や自律コーディング能力が大幅に引き上げられています。
本モデルはDSpark構造を採用しており、投機的デコーディングモジュールがチェックポイント自体に統合されています。外部の下書きモデルを用意することなく、推論スループットを向上させられるのが特徴です。
大型Pro版を上回るエージェント性能
事後学習の強化により、アクティブパラメータ数がはるかに小さいにもかかわらず、自社の上位モデルであるV4-Proプレビュー版を各ベンチマークで逆転しました。
ターミナル操作を評価するTerminal Bench 2.1では82.7を記録し、前世代Flashプレビューの61.8やV4-Proプレビューの72.1を大きく引き離したほか、GLM-5.2の81.0を抜き、Opus 4.8の85.0に迫っています。
ソフトウェア開発ベンチマークのDeepSWEでも54.4を達成し、V4-Proプレビューの12.8から跳ね上がりました。外部レビューによれば、モデル体積はGLM-5.2より約70%小さく、出力コストはOpus 4.8と比べて89倍から100倍近く安価と試算されています。
また、Codex向けの公式プロンプト適合も済んでおり、コマンド1行で環境に組み込むことが可能です。
動作環境とローカル展開
モデルのフルウェイトはHugging Face上で約167GBとなっており、ライセンスはMITです。コミュニティのUnslothからはGGUF版が公開されており、最小の1-bit版であれば約82.5GBまで抑えられます。
推論フレームワークはvLLMとSGLangに初日から対応しています。起動オプションにDSparkの設定フラグを渡すだけで、投機的デコーディングを有効化できます。
注意点として、今回は標準的なJinja形式のチャットテンプレートが同梱されていません。付属のPythonスクリプトを用いてOpenAI形式のメッセージをエンコードする必要があります。推論深度パラメータはlow、high、maxの3段階に対応し、高深度モードでは最大384Kトークンの出力長が推奨されています。
なぜ重要か
自律型エージェントやローカル完結のコーディングアシスタントを構築している開発者なら、今すぐ試す価値があります。商用最上位モデルに迫るツール実行精度を、オープンライセンスかつ低レイテンシで手元に置くことができます。
緻密な事後学習と統合型投機デコーディングによって、小規模モデルでもフロンティア級モデルと渡り合えることを証明した意義は大きく、エージェント運用のハードルを一段引き下げる一歩だと評価できます。
情報源 (1)
- huggingface.co(新しいタブで開きます)原文huggingface.co